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印刷業界における吊り込みとは?

印刷業界における「吊り込み」(ふりがな:つりこみ、英:Hanging Insertion、仏:Insertion Suspendue)とは、冊子や本のページを製本工程で正しく並べて綴じるための作業を指します。複数の印刷物を順番に組み合わせ、指定された順序で綴じることにより、ページがずれたり混ざったりしないように仕上げます。この工程は、特にページ数が多いカタログや雑誌などで重要で、品質と正確性が求められます。


吊り込みの概要

吊り込みは、印刷物を製本する際に必要な工程の一つで、ページの順序や位置を整えながら、異なる印刷物を一本にまとめていく作業を指します。たとえば、雑誌の特集ページやカタログの付録ページなど、通常のページ構成とは異なる箇所に特定のページを組み込む場合、この吊り込み作業が行われます。これにより、完成した製本物のページが正しい順番とレイアウトで仕上がることが保証されます。

吊り込みの役割と重要性

吊り込みは、印刷物の最終的な完成度や品質に直接影響を与える重要な工程です。この作業は、特にページ数が多い印刷物や、複雑な構成を持つパンフレット、カタログ、雑誌などで必要とされます。たとえば、広告や特別企画ページが通常のページ順に従って並ばない場合、それらを正しい場所に「吊り込む」ことで、全体のページ構成が整えられます。

また、吊り込み作業がしっかりと行われないと、ページが入れ替わったり、順序がずれたりする可能性があり、読者の混乱を招きます。特にカタログや参考書のようにページ数が多く、ページ順序が重要な印刷物では、吊り込み作業が製品の品質を左右する重要なポイントです。

吊り込みの歴史と発展

吊り込みという工程は、印刷物の製本が手作業で行われていた時代から存在していました。もともとは、手作業でページを一枚一枚確認しながら綴じていたため、特別なページの挿入や、ページ順序の調整が必要な場合に、このような作業が必要とされました。時代が進み、印刷技術や製本機械が発展するとともに、吊り込みの作業も機械化され、自動で行われることが増えました。

現在では、高度な製本機器や専用ソフトウェアが使用され、デジタル制御により正確なページ配置が可能です。しかし、特殊な構成や指定されたページ順序を反映するには、今でも吊り込みの手作業が必要とされることもあります。特にアートブックや記念誌などの高品質な製本物では、吊り込み作業が手作業で行われることが一般的です。

印刷業界における吊り込みの具体的な使用例

印刷業界において、吊り込みは多くの場面で使用されています。たとえば、商品カタログでは特定の商品のページを目立たせるために別の用紙や紙質で印刷し、それを他のページと組み合わせることがあります。このような場合、吊り込みを活用して特定のページを適切な位置に挿入します。

また、雑誌やパンフレットでは、広告ページや付録ページを特集記事の間に組み込む場合にも吊り込み作業が行われます。このような複数の印刷物を一冊にまとめる工程において、吊り込みは製本の品質と正確性を確保するために欠かせない技術です。

まとめ

吊り込みは、印刷物を正しい順序で組み立てるための重要な工程です。製本が手作業で行われていた時代から受け継がれてきたこの作業は、現在の印刷業界においても欠かせない存在です。機械化やデジタル制御の発展により、効率的かつ正確に行えるようになったものの、特定の品質が求められる製本では今なお手作業が必要です。吊り込みは、印刷物の完成度を高めるための重要な技術であり、今後もその役割が求められていくでしょう。

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