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トリミング線とは?

印刷業界における「トリミング線」(ふりがな:とりみんぐせん、英:Trim Line、仏:Ligne de Découpe)とは、印刷物を仕上がりサイズに裁断するための目安となる線のことです。デザインデータ上で印刷物の最終サイズを示すために使用され、裁断工程で正確に仕上げるために重要な役割を果たします。トリミング線があることで、デザインの意図した見た目を保ちながら、美しく正確に裁断が行われます。


トリミング線の概要

「トリミング線」は、印刷物を仕上がりサイズに揃えるために設けられる裁断位置を示す目印です。通常、印刷物は余白(塗り足し)を含めて少し大きめに印刷され、トリミング線に従って裁断されることで、最終的な仕上がりサイズになります。このプロセスにより、印刷物の端に余白や不要な要素が残らないようにでき、デザインの意図通りの見栄えが保証されます。

トリミング線のプロセスと技術

トリミング線の設定は、デザインデータ作成時にソフトウェアで行われます。Adobe IllustratorやInDesignといったデザインソフトウェアでは、あらかじめ設定された塗り足し(通常は3mm)を含めたデータを作成し、トリミング線をデザインの外周に配置します。塗り足しを設定することで、裁断時に生じる誤差によって白い余白が現れるリスクが軽減されます。

印刷物はトリミング線を基準に裁断されるため、トリミング線の位置が正確であることが重要です。特にポスターやカタログ、広告物などの商業印刷では、トリミング線に基づいた正確な裁断が品質に直結します。また、冊子印刷の場合、トリミング線の位置や仕上がりサイズの統一が、全ページにおける均一な見栄えを保つために必要です。

トリミング線の歴史と発展

トリミング線の概念は、手作業での裁断が主流だった時代から存在しました。手作業による裁断では、印刷物の端に不要な白枠が残ることがあり、デザインが均一に仕上がらない問題が発生していました。そこで、明確なガイドラインとしてトリミング線が用いられるようになりました。

印刷技術が進化する中で、トリミング線の役割も重要性を増しました。オフセット印刷の普及とともに、大量印刷における精度の高い裁断が必要とされ、デザインデータ内でトリミング線が標準的に設定されるようになりました。さらに、デジタル印刷やデスクトップパブリッシング(DTP)の普及により、トリミング線の設定や管理がデザインソフトウェアで効率的に行えるようになりました。

現在のトリミング線の使用例と重要性

現在、トリミング線は商業印刷、出版、広告、パッケージ印刷など、幅広い分野で使用されています。特に、企業のブランドカラーや製品デザインが正確に再現されることが求められる広告物では、トリミング線に基づく精密な裁断が不可欠です。ポスターやフライヤーなど、視覚的な印象が重要な印刷物では、トリミング線を基にした正確な仕上がりが、デザインのインパクトを左右します。

また、デジタル印刷の普及により、小ロットの印刷でもトリミング線の設定が簡単にできるようになっています。これにより、個別にカスタマイズされた印刷物でも、高品質な仕上がりが確保されています。トリミング線の管理は、効率的な印刷工程と品質管理の両面で重要な役割を担っています。

まとめ

トリミング線は、印刷物を美しく正確に仕上げるための重要なガイドラインです。歴史的には、手作業の裁断工程から始まり、デザインの均一性を保つために工夫されてきました。現在では、デザインソフトウェアで簡単に設定でき、商業印刷からパッケージまで幅広い用途で活用されています。トリミング線により、印刷物がデザイン意図に忠実に仕上がり、品質の高い製品が提供され続けています。

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