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印刷業界における段ボール用ライナーとは?

印刷業界における段ボール用ライナー(だんぼーるようらいなー、Corrugated Board Liner / Liner pour carton ondulé)とは、段ボールの表面層または裏面層を形成する紙素材のことです。このライナーは、段ボールの強度を支えながら印刷適性を提供し、製品保護と視覚的なデザインの両方を実現します。使用される紙の種類や加工技術によって品質や用途が異なり、包装材として幅広く利用されています。



段ボール用ライナーの歴史と背景

段ボール用ライナーの起源は、19世紀末に段ボール自体が発明された時期に遡ります。最初の段ボールは単純な波形の紙を芯材として用いていましたが、その後、強度を高めるために表面と裏面をライナーで挟む構造が考案されました。

特に20世紀初頭、包装材として段ボールの需要が急増する中で、ライナーの重要性が認識されました。紙の品質や加工技術の進化により、軽量でありながら耐久性に優れた素材が開発され、食品、工業製品、家電製品などの包装に広く採用されるようになりました。

段ボール用ライナーの構造と特徴

段ボール用ライナーは、以下のような構造と特徴を持っています。

1. 表面層: 製品の外側に配置されるライナーで、印刷適性や外観品質が重視されます。高級感を求める場合には、コート紙や漂白クラフト紙が使用されます。

2. 裏面層: 段ボールの内側に位置するライナーで、主に強度と耐湿性が重視されます。未漂白クラフト紙再生紙が一般的に使用されます。

3. 芯材との接合: ライナーは、波形の芯材(フルート)と接着されて段ボールの構造を形成します。この接合によって段ボールの全体的な強度が決まります。

段ボール用ライナーの印刷適性

段ボール用ライナーは、印刷業界において重要な役割を果たします。製品情報やブランドロゴを鮮明に印刷するために、以下の特性が求められます。

1. 表面平滑性: 印刷インクが均一にのるために、ライナー表面の滑らかさが重要です。

2. 吸収性のコントロール: 適度なインク吸収性を持つことで、発色が良くなると同時に、にじみを防ぎます。

3. 耐久性: 印刷後の加工や輸送時に、デザインが損なわれないような耐摩耗性が必要です。

段ボール用ライナーの用途と種類

段ボール用ライナーは、用途や目的に応じてさまざまな種類が使用されています。

1. クラフトライナー: 天然繊維を使用した未漂白のライナーで、強度が高く工業製品の包装に適しています。

2. ホワイトトップライナー: 表面が漂白されており、高品質な印刷が可能です。食品や消費財のパッケージによく使用されます。

3. 再生ライナー: 再生紙を利用した環境配慮型のライナーで、コスト効率に優れています。

段ボール用ライナーの課題と対応策

段ボール用ライナーの製造や使用にはいくつかの課題がありますが、技術革新により対応が進められています。

1. 環境負荷の軽減: ライナーの製造には大量の木材資源や水が必要ですが、再生紙の利用拡大や水のリサイクル技術が導入されています。

2. コスト管理: 高品質なライナーはコストが高くなる場合がありますが、製造プロセスの効率化や軽量化技術が進んでいます。

3. 印刷の制約: 段ボール特有の表面凹凸が印刷品質に影響を与えることがあります。これを改善するため、コート技術や高性能な印刷インクが開発されています。

段ボール用ライナーの未来と印刷業界への影響

段ボール用ライナーは、持続可能な社会への貢献が求められる中で、さらなる進化を遂げると予想されます。環境に配慮した材料や製造プロセスが開発され、リサイクル可能な製品が主流となるでしょう。

また、電子商取引の拡大により、段ボール需要が増加しているため、ライナーの高品質化や印刷技術の向上が重要です。これにより、段ボール用ライナーは、製品保護だけでなく、マーケティングブランディングの重要なツールとしての役割を果たし続けるでしょう。

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