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印刷業界における焼付けとは?

印刷業界における 焼付け(やきつけ、Burning Process / Procédé de Cuisson)とは、印刷プレートやトナーなどを熱や光を利用して定着・硬化させる工程を指します。この技術は、オフセット印刷や電子写真印刷など、さまざまな印刷方式で用いられ、印刷の耐久性や品質を向上させるために重要な役割を果たします。焼付けは、特に製版や仕上げの段階で活用され、印刷物の仕上がりを左右するプロセスです。



焼付けの歴史と由来

「焼付け」という概念は、工業技術全般から派生しており、特に金属や陶磁器の表面処理で使用されていた言葉が印刷業界にも取り入れられました。印刷分野では、19世紀のリトグラフ(石版印刷)やオフセット印刷の技術発展とともに、焼付けの技術が広まりました。

当初は製版工程での感光材料の硬化や、インクの乾燥を促進する目的で利用されていました。その後、電子写真技術が登場した20世紀半ばには、トナーを用いた印刷での熱定着が「焼付け」として認識されるようになりました。

焼付けの仕組みと工程

焼付けのプロセスは、使用される印刷方式や材料によって異なりますが、以下の工程が一般的です:

  • 熱定着:電子写真印刷やレーザープリンターで、トナーを加熱して紙やフィルムに定着させる工程。
  • UV硬化:紫外線を照射してUVインクや感光性樹脂を硬化させる工程。
  • 焼き入れ:オフセット印刷のプレートに熱を加え、画像部分を強固にする工程。

これらの方法により、印刷物の耐久性が向上し、剥離や劣化が防止されます。また、特殊な素材に対しても焼付けを行うことで、高品質な仕上がりが実現します。

焼付けの印刷業界における利用と応用例

焼付けは以下のような分野で幅広く活用されています:

  • オフセット印刷:印刷プレートの耐久性を向上させ、長時間の使用に耐えられるようにする。
  • 電子写真印刷:トナーを定着させ、文字や画像が鮮明に再現されるようにする。
  • UV印刷:紫外線でインクを瞬時に硬化させ、特殊素材や高光沢の仕上げに対応する。
  • 高温加熱印刷:耐熱性のある素材や特定の工業用途の印刷に利用される。

特に、耐水性や耐摩耗性が必要な印刷物(例:ラベルやポスター)では、焼付け工程が不可欠です。

課題と未来の展望

焼付け技術にはいくつかの課題があります:

  • エネルギー消費:高温や紫外線を使用するため、多くのエネルギーを必要とする。
  • 素材への影響:特定の素材が焼付け工程で変形や劣化を起こす場合がある。
  • 環境負荷:廃棄物や排気ガスなど、環境への影響を最小限に抑える取り組みが必要。

これらの課題に対応するため、近年では省エネルギー型の焼付け装置や、環境に配慮した材料の開発が進められています。また、デジタル技術と融合した焼付けプロセスが登場し、より効率的で持続可能な印刷技術が期待されています。焼付けは、印刷物の品質向上に欠かせない工程として、今後も進化を続けるでしょう。

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