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不動産業界における登記識別情報とは?

不動産業界の分野における登記識別情報(とうきしきべつじょうほう、Registration Identification Information、Information d’identification de l’enregistrement)とは、不動産登記において所有権の移転や抵当権の設定などの申請を行う際に、申請権限を有する者であることを証明するための情報です。2005年の不動産登記法改正により、従来の「登記済証(権利証)」に代わって導入されたもので、12桁の英数字による機密性の高いコードとして発行されます。



登記識別情報の定義と役割

登記識別情報とは、不動産登記における本人確認のための情報であり、所有権の移転登記や抵当権設定登記などを申請する際に、正当な登記権利者であることを証明する目的で使用されます。

この情報は、不動産を取得した際に登記官から交付されるもので、12桁の英数字で構成されています。所有者はこの情報を使って、将来その不動産に関する登記申請(売却や抵当権設定など)を行う際に、申請資格を証明することになります。

以前は「登記済証(とうきずみしょう)」と呼ばれる紙の「権利証」が用いられていましたが、偽造や紛失のリスク電子化への対応といった背景から、2005年の不動産登記法改正によってこのシステムが導入されました。

登記識別情報は、交付時に目隠しシールなどで隠された状態で受け取り、他人に知られないよう厳重に保管する必要があります。



登記識別情報の由来と制度背景

「登記識別情報」という語は、「登記」=不動産に関する登録、「識別」=他と区別して確認すること、「情報」=データや記号を意味します。英語では “Registration Identification Information”、フランス語では “Information d’identification de l’enregistrement” と訳されます。

この制度は、2005年の不動産登記法の全面改正によって導入されました。これ以前は「登記済証」という紙の証書が法務局から発行されており、それが所有者の権利を証明する唯一の手段とされていました。

しかし、登記済証は紙の偽造や盗難、紛失のリスクが高く、セキュリティの確保と電子申請対応が求められていた背景の中で、「登記識別情報」というコード型の方式が誕生しました。

この仕組みにより、登記手続きのデジタル化が進み、オンラインでの登記申請や遠隔地からの手続きも可能になりました。加えて、本人確認がより厳格かつ確実に行えるようになったことも制度上のメリットです。



登記識別情報の実務上の取り扱いと注意点

登記識別情報は、次のような登記手続きで求められます。

・所有権移転登記(不動産の売却など)

・抵当権設定登記(住宅ローンなど)

・抵当権抹消登記(ローン完済後)

交付された登記識別情報は、1つの不動産につき1つ発行され、他の物件には流用できません。

使用の際には、以下のような実務的注意点があります。

・登記識別情報が漏洩した場合、不正申請のリスクがある

・紛失した場合、法務局から再発行はされない

・紛失時は「事前通知制度」または「本人確認情報の提供」で代替可能

特に司法書士を通じた登記申請では、本人確認情報の作成が行われることが多く、これにより識別情報が無くても手続きは可能です。

ただし、登記識別情報があれば手続きは迅速かつ確実に行えるため、所有者自身が情報を適切に保管・管理することが重要です。

近年では、不動産取引のペーパーレス化が進む中で、電子証明書やマイナンバーカードとの連携による登記識別のデジタル化も検討されています。



まとめ

登記識別情報とは、不動産登記において申請権限を証明するために交付される12桁の英数字によるコードであり、所有権や担保権などの登記手続きにおける重要な認証手段です。

2005年に導入されたこの制度は、不動産取引の安全性向上と登記の電子化を推進する中核的な役割を担っており、適切な管理と運用が求められます。

今後も登記識別情報は、法的セキュリティと登記実務のデジタル化の両立を図るために欠かせない仕組みとして発展していくでしょう。

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