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不動産業界におけるバルコニー面積とは?

不動産業界の分野におけるバルコニー面積(ばるこにーめんせき、Balcony Area、Surface de balcon)とは、集合住宅などにおけるバルコニー部分の床面積を指し、通常は専有面積には含まれず、共用部分として扱われるものの、居住者に専用使用権が認められる範囲を示す指標です。建築確認、販売広告、住戸プラン設計などで表示され、住まいの快適性や資産価値に大きく関わる要素の一つとなっています。



バルコニー面積の定義と測定基準

バルコニー面積とは、マンションやアパートなどの集合住宅において、住戸の外側に設けられた屋外の張り出し部分の床面積を意味します。

バルコニーは原則として共用部分に該当しますが、各住戸の所有者に専用使用権が与えられているケースが多く、実質的には個人使用が認められた空間となっています。

バルコニー面積の測定は、バルコニーの床部分の面積(通常は壁芯または外形寸法ベース)により行われ、次のような基準が一般的です。

・床がフラットで、安全柵や手すりが設置されている部分

・建築基準法上の“庇”や“出窓”とは区別される

・奥行きが2メートルを超える場合、建築面積に算入される場合がある

また、バルコニーが屋根や庇の機能を持つ場合には、建ぺい率や建築面積の算定に影響を与える可能性があります。

販売資料などでは「バルコニー面積○○㎡」と記載されており、居住空間の拡張性や眺望性の判断材料として活用されています。



バルコニー面積の語源と制度の歴史

「バルコニー」という語は、英語の “Balcony”、またはフランス語の “Balcon” に由来し、建物の外壁に張り出した手すり付きの屋外スペースを意味します。

日本では、昭和中期以降の集合住宅の普及に伴い、バルコニーが住宅の標準的な設備として取り入れられ、洗濯物の干し場、通風、採光、防火避難路としての役割も果たすようになりました。

その中で、不動産取引においてバルコニー面積の情報が求められるようになり、1980年代以降、不動産広告表示に関する規制が強化されたことを契機に、専有面積とは別にバルコニー面積を明示することが一般化しました。

また、バルコニーは共用部分に分類されながらも専用使用が可能という性格を持つため、区分所有法や管理規約に基づいて取り扱いが定められる重要な空間でもあります。

現代では、プライベートガーデン風のバルコニーやルーフバルコニーなど、デザイン性・開放性を高めた設計が主流となっており、バルコニー面積の広さが物件選びの基準になるケースも増加しています。



バルコニー面積の実務と注意点

バルコニー面積は、不動産の設計・販売・評価の各場面において次のような役割を果たします。

・販売広告での訴求:
バルコニー面積が広いほど「ゆとりある住空間」として販売上のアピールポイントになります。

・建築確認申請との整合性:
バルコニーの面積・構造により建築面積や建ぺい率に影響を与える場合があります。

・税務評価との関連:
バルコニーは固定資産税評価には通常含まれませんが、その面積や形状が物件評価に影響することはあります。

・共用部分の管理:
バルコニーは共用部分のため、改造や物置設置などには管理組合の承認が必要なことがあります。

一方で、以下のような注意点もあります。

・表示の誤認:
専有面積にバルコニー面積が含まれているように誤認表示されていないかをチェックする必要があります。

・ルーフバルコニーとの混同:
上階の屋根部分を利用したルーフバルコニーは、通常のバルコニーとは面積の扱いや利用規約が異なるため、区別が重要です。

・火気使用や植物の設置:
マンション規約によっては、火気厳禁、植栽禁止などの制限があるため、面積の広さだけでなく利用可能性も確認が必要です。

バルコニー面積の表示がある場合は、図面上の位置・形状・面積表示の根拠を明確に把握しておくことが、安全な取引と快適な居住の第一歩になります。



まとめ

バルコニー面積とは、マンションなど集合住宅において住戸に付属する屋外の張り出し空間の床面積を示すものであり、居住快適性や採光・通風・避難の確保といった役割に加え、不動産の資産価値にも影響を与える重要な要素です。

専有面積とは区別されるものの、生活動線の一部として扱われることも多く、面積表示の正確性・使用ルールの把握が購入・契約時には不可欠です。

今後もバルコニー面積は、居住者の生活の質と住環境設計の中核的な項目として、ますます重要性を増すでしょう。

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