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不動産業界における登記面積とは?

不動産業界の分野における登記面積(とうきめんせき、Registered Area、Surface cadastr?e)とは、土地や建物の所有権を法的に証明する登記簿に記載された面積のことを指します。土地では地積、建物では床面積として法務局に登記され、公的書類や税務評価、取引契約の基礎となる重要な面積情報です。現況の実測面積と異なる場合もあるため、不動産取引時にはその違いを理解する必要があります。



登記面積の定義と測定方法

登記面積とは、法務局に備え付けられた登記簿に記載されている土地または建物の面積を意味します。土地に関しては「地積(ちせき)」、建物に関しては「床面積(ゆかめんせき)」として登記簿に記録されます。

土地の登記面積は、過去に行われた測量結果をもとに記載されますが、その精度は測量の時代や方法によって異なります。

建物の場合、原則として内法(うちのり)により計測され、各階ごとの床面積が表示されます。たとえば、2階建ての建物であれば、1階と2階の内法面積の合計が登記面積として登録されます。

登記面積の記録は、次のような場面で活用されます。

・不動産売買契約時の面積確認

・相続や贈与などの所有権移転登記

・固定資産税や不動産取得税の算定根拠

・住宅ローン審査における担保評価

したがって、登記面積は不動産の法的・行政的な取引における基準値として用いられる最も基本的な面積情報です。



登記面積の語源と制度の歴史

「登記面積」という言葉は、「登記」=国や行政が法的に不動産情報を登録すること、「面積」=土地や建物の広さ、という構成で、法的に記録された面積という意味を持ちます。英語では “Registered Area”、フランス語では “Surface cadastr?e” と表現されます。

日本において登記制度が整備されたのは明治時代で、1886年に「不動産登記法」が制定されたことにより、土地・建物の権利関係とともに面積の記録も制度化されました。

当初の測量技術は簡易なものであったため、縄延びや筆界未確定といった不正確な面積が記録されていたこともあります。

その後、国土調査や地籍調査の進展により、土地の測量精度が向上し、登記面積と現況面積との乖離は徐々に縮小してきました。しかし、未調査地域では今なお古い測量に基づく面積が記載されているケースも存在します。

また、建物においても建築技術や構造の多様化に伴い、建築確認図面との整合性や床面積の表記ルールが確立され、現代では建築士や土地家屋調査士による正確な登記が義務づけられています。



登記面積の実務と注意点

登記面積は、不動産取引において以下のように重要な役割を担います。

・契約書の面積根拠:
不動産売買契約においては、登記簿に記載された面積を基準として契約内容が記されます。

・税金の算出基準:
不動産取得税、登録免許税、固定資産税などは、登記面積を基礎として課税されます。

・登記の変更時:
土地を分筆・合筆する際や建物の増改築により面積が変わる場合には、登記面積の更正または変更が必要となります。

・金融機関による担保評価:
住宅ローンや不動産担保融資では、登記面積をもとに不動産の評価額が算出されます。

ただし、次のような点に注意が必要です。

・登記面積と実測面積の乖離:
特に土地では、古い測量方法に基づいて登記された面積と、現況で測量した実測面積が異なることがあります。

・建物の壁芯と内法の違い:
登記面積は内法で測定されるため、販売資料に記載される壁芯面積よりも狭くなることが一般的です。

・登記簿情報の更新遅れ:
増改築や解体後に変更登記を怠ると、現況と登記情報が一致しないリスクがあります。

不動産取引に際しては、登記面積と現況面積の相違がある場合には、現況測量図の提示や境界確認書などで補足説明を行い、誤認やトラブルを防止することが求められます。



まとめ

登記面積とは、土地や建物に関する登記簿に公式に記載された面積を指し、不動産取引や登記手続き、税務評価などにおいて法的根拠を持つ数値です。

現況面積や販売面積と異なることもあるため、契約や評価の際には正確な登記情報の確認が不可欠です。

今後も登記面積は、不動産の適正な流通と資産価値の保全を支える公的な面積情報として重要な役割を担っていくでしょう。

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