不動産業界における路線価とは?

不動産業界の分野における路線価(ろせんか、Roadside Land Price、Valeur v?nale des terrains le long des routes)とは、国税庁が道路(路線)に面する標準的な宅地について毎年公表している1平方メートルあたりの評価額を指します。主に相続税や贈与税を計算する際の土地評価の基準とされるもので、市場価格(時価)の概ね80%程度を目安として設定されており、公的な価格指標の一つとして広く利用されています。



路線価の定義と算出の仕組み

路線価とは、道路に接する土地に対して、その道路に面した1平方メートルあたりの価格を示した評価指標です。国税庁が毎年7月に発表しており、主に相続税・贈与税の課税評価額を求めるために使われます。

評価は都市部などの市街地を中心に、土地の位置や利用状況、過去の取引事例、公示地価などを参考にして決定され、「路線価図」として公開されます。

一般に、市街地のほとんどの宅地は「路線価方式」によって評価され、地方の農地などには「倍率方式」が適用されることもあります。

路線価を基にした土地の評価額は次のように求められます。

評価額=路線価(円/㎡)× 地積(㎡) × 補正率(奥行・間口など)

この評価方法は、公平かつ標準的な課税を行うために不可欠な制度として運用されています。



路線価の語源と制度の背景

「路線価」という言葉は、「路線」=道路、「価」=価格を意味し、特定の道路に面した土地の単価を示す用語として成立しました。

英語では “Roadside Land Price”、フランス語では “Valeur v?nale des terrains le long des routes” と表現され、海外では日本ほど詳細に制度化された形は少ないものの、類似の概念として「市税評価額」や「地方税評価額」などが存在します。

日本において路線価制度が導入されたのは、1964年(昭和39年)に相続税法が改正されたことに始まります。それまでは一律倍率方式が用いられていましたが、土地の個別性と価格差が顕著になる都市化の進行により、より精緻な評価方法が求められたためです。

以後、地価公示制度・地価調査制度と並んで、三大公的価格の一つとして制度的に確立され、全国の税務行政に活用されています。



まとめ

路線価とは、道路に面する標準的な宅地の評価単価を示す公的価格であり、相続税や贈与税の計算の基準として極めて重要な役割を果たしています。

不動産の市場価格に対する公的な目安として、土地の評価の透明性と公平性を担保する制度として、今後も税制・資産管理の場面で広く利用され続けることが期待されます。

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