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不動産業界における売出価格とは?

不動産業界の分野における売出価格(うりだしかかく、Listing Price、Prix de mise en vente)とは、売主が不動産を市場に出す際に設定する希望販売価格のことを指します。これは交渉の出発点であり、最終的な成約価格とは異なる場合が多いです。売出価格は市場の動向、物件の特性、周辺相場、売主の事情などを加味して設定され、不動産ポータルサイトや広告に表示される価格として、買主や業者にとって重要な判断材料となります。



売出価格の定義と決定の要素

売出価格とは、不動産の売主が市場に物件を公開する際に設定する初期価格のことです。広告や不動産ポータルサイトに記載される価格は、この売出価格を指します。

売出価格は、売主自身の希望額である一方で、市場の実勢価格や査定価格を参考にして決めるのが一般的です。以下のような要因が価格決定に影響します。

  • 周辺の成約事例や相場
  • 不動産会社による査定結果
  • 売主の希望売却期間や資金事情
  • 物件の状態、立地、築年数、人気度

売出価格はあくまで「希望価格」であり、交渉や内見後の価格交渉を経て、実際の成約価格とは異なることが多いのも特徴です。

価格設定が高すぎると購入希望者が集まりにくく、逆に安すぎると損失につながるため、適正な売出価格の設定は非常に重要です。



売出価格の語源と背景

「売出価格」という用語は、「売り出す」=商品を市場に出す、「価格」=設定された金額、という2つの意味を持ち、市場に提示する初期の販売希望価格を指します。

英語では “Listing Price”、フランス語では “Prix de mise en vente” と訳され、いずれも販売開始時に提示される価格というニュアンスがあります。

不動産取引において売出価格が一般的な用語として定着したのは、1970年代以降の住宅流通の活発化が背景にあります。当初は価格交渉を前提とした商習慣により、売出価格と成約価格の差が大きい傾向にありました。

現在では、インターネット上での価格比較が容易になったことや、レインズ(不動産流通標準情報システム)の整備によって、売出価格の設定にも透明性と戦略性が求められるようになっています。

とくに都市部や人気エリアでは、売出価格の数十万円単位の違いが成約スピードや価格に大きく影響することもあり、精緻な価格設定と売主の柔軟な判断が求められます。



まとめ

売出価格とは、不動産を販売市場に出す際に売主が設定する希望販売価格であり、取引のスタート地点となる重要な指標です。

実勢価格とのバランスや買主の反応を見ながら調整されることも多く、市場分析や販売戦略と密接に関わる価格設定として、売買活動全体を左右する大切な要素となっています。

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