ビジプリ > 不動産業界用語辞典 > 【一棟売り】

不動産業界における一棟売りとは?

不動産業界の分野における一棟売り(いっとううり、Whole Building Sale、Vente en bloc)とは、アパートやマンション、ビルなどの建物全体を一括して売買する取引形態を指します。個別の区分ではなく、土地と建物の全体をセットで売買することから、主に不動産投資家や法人による収益物件取得の手段として用いられます。区分所有よりも管理運営の自由度が高く、規模や立地に応じて高い収益性が期待されるため、長期的な資産形成に適した投資対象として注目されています。



一棟売りの定義と特徴

一棟売りとは、マンションやアパート、オフィスビル、商業ビルなどの不動産を、建物ごと丸ごと購入または売却する取引形式です。対象となる不動産には、土地や附属設備も含まれることが一般的です。

特徴として、以下のような点が挙げられます:

  • 収益性の高さ:複数戸からの賃料収入をまとめて得られるため、インカムゲインの規模が大きい。
  • 管理の一元化:所有者が全体を管理するため、修繕計画や空室対策、リノベーションなどの裁量が広い。
  • 融資が受けやすい:金融機関による評価がしやすく、収益性を元にローンを組むことが可能。

一方で、初期投資額が高額であるため、ある程度の資金力や金融知識が必要です。また、空室リスクや修繕費の負担など、オーナーとしての責任も大きくなります。



一棟売りの歴史と市場背景

日本における一棟売り取引は、1970年代以降の都市化と共に不動産投資市場が拡大する中で普及しました。特にバブル期には、地価の上昇とともに一棟買いによる転売益を目的とした投資が活発に行われました。

バブル崩壊後はいったん沈静化したものの、2000年代に入ってからは低金利政策や年金不安を背景に、個人投資家や法人の長期安定収益を目的とした投資が主流となりました。特に地方都市や郊外の築浅一棟アパートなどは、比較的低価格で購入できることから、サラリーマン投資家の参入も増えています。

また、海外投資家による日本の一棟ビル投資も増加傾向にあり、東京や大阪の都心部では一棟売り物件の希少性が高まり、価格上昇が続いています



まとめ

一棟売りは、不動産投資における大きな収益源となりうる取引形態であり、収益性・管理の自由度・資産価値の向上といったメリットがあります。

物件選びにおいては、立地条件、築年数、修繕履歴、入居率などを総合的に判断することが重要で、長期的な資産運用や相続・法人税対策としても注目されています

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