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不動産業界における固定資産税とは?

不動産業界の分野における固定資産税(こていしさんぜい、Fixed Asset Tax、Taxe fonci?re)とは、土地・建物・償却資産といった固定資産に対して、毎年1月1日時点の所有者に課される地方税を指します。主に市町村が課税主体となり、固定資産の評価額に基づいて税額が計算されます。不動産を所有する限り発生する税負担であり、賃貸経営や不動産投資におけるコスト要素の一つとして重要視されます。



固定資産税の定義と計算方法

固定資産税とは、土地・家屋・事業用の償却資産を所有する者に対して、市町村が毎年課税する地方税です。

課税対象は1月1日時点で登記簿上に名義のある者で、評価額は原則として3年ごとに見直される「固定資産評価基準」に基づき決定されます。

税額の算定は以下の式で行われます。 税額 = 課税標準額 × 税率(標準税率は1.4%)

ただし、小規模住宅用地や新築住宅には減額措置が設けられており、軽減特例・免税点などの制度を活用することで税負担の軽減も可能です。



固定資産税の歴史と語源的背景

固定資産税のルーツは、明治時代の「地租」にさかのぼり、当時は土地に対する税金が国家財政の中心でした。

戦後の地方自治制度の確立に伴い、1949年に「地方税法」が制定され、固定資産税はそれまでの「地租」や「家屋税」を統合して誕生しました。これにより、市町村の自主財源としての役割を担うこととなり、現在に至るまで地方公共団体の安定的な収入源と位置づけられています。

税の名称にある「固定資産」とは、土地・建物など動かすことのできない資産を意味し、「固定資産税」という言葉も不動産に課される恒常的な税金という意味合いから広く使われるようになりました。



現代不動産実務における固定資産税の意義と影響

固定資産税は、不動産を所有する上で避けて通れないコストであり、キャッシュフローや投資利回りに直接影響します。

たとえば、賃貸経営を行う場合、家賃収入に対して固定資産税を引いた純利益が手元に残るため、税額が高い物件は投資採算性を下げる要因になります。また、土地の地価が上昇すれば税額も増えるため、所有継続の判断材料にもなります。

一方で、新築住宅に対する減額措置(3年間または5年間の税額半減)や、住宅用地の軽減措置(課税標準の1/6または1/3)などの制度もあり、適用条件を確認することが重要です。

近年では、空き家問題の対策として、空き家に対する住宅用地の軽減措置が解除されるケースもあり、所有者にとっての経済的インセンティブと課税負担のバランスが議論の的となっています。



まとめ

固定資産税とは、不動産の所有者に課される代表的な地方税であり、市町村の財源を支えると同時に、不動産運用における費用項目として重要です。

適正な評価と軽減制度の理解、そして長期的な資産保有計画の中で固定資産税を見据えた経営判断を行うことが、不動産の有効活用とリスク管理に直結します。

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