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不動産業界における譲渡所得税とは?

不動産業界の分野における譲渡所得税(じょうとしょとくぜい、Capital Gains Tax、Imp?t sur les plus-values immobili?res)とは、不動産を売却して得た利益(譲渡益)に対して課される所得税です。土地や建物の譲渡により取得時の価格よりも高く売却できた場合、その差額に対して国税(所得税・住民税)が課されます。保有期間に応じて税率が異なり、5年以下は短期、5年超は長期として扱われます。特例や控除制度も多く、不動産取引の計画には欠かせない税制です。



譲渡所得税の定義と計算方法

譲渡所得税とは、不動産を譲渡した際に得た利益(譲渡所得)に対して課される税金です。これは国税(所得税)と地方税(住民税)から構成され、給与所得などとは別に分離課税されるのが特徴です。

譲渡所得は次のような計算式で求められます。
譲渡所得 = 譲渡価格 ?(取得費 + 譲渡費用)

この譲渡所得に対して課される税率は、保有期間によって変わります。

・短期譲渡(5年以下):所得税30% + 住民税9%(合計39%)
・長期譲渡(5年超):所得税15% + 住民税5%(合計20%)

さらに、復興特別所得税(所得税の2.1%)も加算されます。



譲渡所得税の歴史と税制の背景

譲渡所得税は、昭和25年(1950年)のシャウプ勧告に基づく税制改革の中で創設されました。それまで所得税に組み込まれていた譲渡益を、不動産や有価証券などの資産譲渡に特化した課税制度として分離課税に移行したものです。

不動産取引は単発的な収入であり、累進課税の対象とすると負担が過重になる恐れがあるため、資産課税としての公平性を確保する目的で制度化されました。

以後、景気対策や住宅取得支援、都市再開発などの目的から、特別控除や特例制度が多数導入され、譲渡税制は非常に複雑かつ多岐にわたるものとなっています。



不動産実務における譲渡所得税の影響と留意点

譲渡所得税は、不動産売却による手取り額を大きく左右するため、事前の試算と対策が極めて重要です。

たとえば、マイホームを売却した場合には、3,000万円の特別控除が適用されることがあり、この控除により実質的に非課税となるケースもあります。ただし、居住年数や所有期間、居住実績などに条件があります。

また、相続で取得した不動産を売却する場合でも、被相続人の取得日や取得費の不明点を踏まえて、概算取得費(譲渡価格の5%)で申告することもあります。

近年では、不動産価格の上昇により多額の譲渡益が発生するケースが増え、納税資金の確保や申告時期の把握も大切です。売却翌年の確定申告が必要であり、特例適用を受けるためには添付書類の準備も求められます。



まとめ

譲渡所得税とは、不動産を売却して得た利益に対して課される税金であり、売却戦略や資金計画に大きな影響を与える要素です。

保有期間による税率差、特別控除の有無、申告のタイミングなどを正しく把握し、適切な対策と税務処理を行うことが、不動産の有効な資産運用と節税につながります。

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