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不動産業界における売買代金とは?

不動産業界の分野における売買代金(ばいばいだいきん、Purchase Price、Prix d’achat)とは、不動産の売買契約において、買主が売主に支払う金銭のことを指します。これは物件の価値を金額で示したものであり、売買契約の核心的要素です。売買代金の金額、支払い時期、支払い方法は契約書に明記され、取引の信頼性と法的拘束力を確保するための重要な項目です。住宅ローンや仲介手数料、税金との関係でも大きな意味を持つ概念です。



売買代金の定義と契約上の役割

売買代金とは、不動産取引において買主が物件の所有権を得る対価として、売主に支払う金銭を意味します。これは、契約の成立における「目的物(不動産)」と「対価(代金)」の交換という双務契約の基本構造を構成するものです。

売買代金の額は、市場価格・鑑定評価・交渉・査定などを基に決定されます。契約書では通常、総額の明記とともに、内訳(手付金・中間金・残代金)の支払い時期や方法も定められます。

また、売買代金の支払い完了が所有権移転登記の条件とされるケースが多く、代金支払と同時に物件の引渡しが行われる「同時履行の原則」が実務では広く適用されています。



売買代金という言葉の由来と歴史的背景

「売買代金」という用語は、日本の民法(第555条)に規定される売買契約の概念に基づいています。民法の定義によれば、売買契約とは「一方が物の所有権を移転することを約し、他方がその代金を支払うことを約する契約」とされており、この「代金」がすなわち売買代金に該当します。

日本では近代的不動産制度が整備された明治時代以降、不動産売買における価格の透明性と契約履行の確実性を担保するために、売買代金の支払い条件や登記との関係が法的にも制度的にも整えられてきました。

また、高度経済成長期以降の住宅需要の増加に伴い、住宅ローンを活用した売買が一般化し、売買代金と金融機関の融資実行タイミングの調整が重要な実務課題となりました。



現代の実務における売買代金の取り扱いと注意点

現在の不動産取引では、売買代金の支払いは手付金・中間金・残代金という3段階に分けて行われることが一般的です。

手付金は契約時に支払われる金銭で、契約の成立を確認する証拠とされ、一定の解約権を与える機能を持ちます。中間金は工事進捗や分譲マンションなどで支払われる場合があり、残代金は引渡し・登記と同時に支払われます。

売買代金の支払い方法には、現金、銀行振込、融資(住宅ローン)などがあり、融資利用時には融資特約(ローン特約)が契約に盛り込まれることが多く、融資不成立による契約解除の可能性にも備えられます。

不動産業者を介して行う仲介取引では、売買代金に仲介手数料や登記費用、税金などの関連コストも加味して資金計画を立てる必要があります。

また、不動産売買における詐欺や契約不履行を防ぐためにも、売買代金の支払いと登記・引渡しのタイミングは密接に連動させて実施されるのが通例です。



まとめ

売買代金とは、不動産の所有権移転の対価として買主が売主に支払う最も基本的かつ重要な契約要素です。

契約内容に明記される金額や支払い条件は、取引の信頼性や法的効力を左右するため、正確な金額の確定、支払スケジュールの合意、第三者の関与による担保などが重要となります。不動産取引を安全かつ円滑に進める上で、売買代金の理解と管理は不可欠です。

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