不動産業界における中間金とは?
不動産業界の分野における中間金(ちゅうかんきん、Interim Payment、Paiement interm?diaire)とは、不動産の売買契約において、契約締結後から残代金決済までの間に買主が売主に支払う金銭のことです。手付金と残代金の中間に支払われるため「中間金」と呼ばれ、主に建築中の新築物件や引渡しまでの期間が長い取引で使用されることがあります。売主にとっては資金繰りの安定、買主にとっては段階的な支払いで負担軽減のメリットがあります。
中間金の定義と不動産契約における役割
中間金とは、不動産取引において売買契約締結後から物件引渡し(残代金支払)までの期間に発生する追加支払を指し、売買代金の一部を事前に分割して支払う形式です。
通常、不動産の売買では、契約時に手付金を支払い、引渡し時に残金を支払うという2段階で行われますが、中間金がある取引ではこれが3段階になります。中間金は、建物完成時や一定の工程到達時に支払うなど、事前に契約書で時期と金額を定めるのが一般的です。
売主の資金確保や買主の支払計画の柔軟化を図る上で有用な制度として、特に建築条件付き土地や分譲住宅などにおいて採用されやすい傾向があります。
中間金という概念の歴史と背景
中間金という用語は、昭和後期以降の高度経済成長期に、不動産取引の多様化とともに生まれた実務上の概念です。
特に長期にわたる建築工程を伴う住宅購入や、分譲マンションの完成前販売(青田売り)において、売主側の建築資金需要と、買主の信頼を両立させる仕組みとして活用されてきました。
宅地建物取引業法においても、中間金を受け取る場合には保全措置(保証保険や保証機関による保証)が義務づけられるなど、買主の資金保護を前提とした制度的な配慮も存在します。
現代における中間金の使われ方と留意点
中間金は、一般的には手付金の支払後から残代金支払前の任意のタイミングで設定され、工事完了時や建物の上棟時などを支払時期とすることがあります。
この支払は契約書に明確に記載され、金額や日程も具体的に定める必要があります。また、宅地建物取引業者が売主となる場合、物件が未完成の段階で中間金を受領するには、保全措置の実施が法律で義務づけられています。
買主にとっては、支払い時点で建物が未完成であることから、売主の信頼性や保全制度の有無を事前に確認することが重要です。また、中間金が全体代金の何%を占めるのかにも注意が必要です。
近年では、住宅ローンの中間金融資制度を提供する金融機関もあり、買主側の資金負担を抑えるための支援も整備されつつあります。
まとめ
中間金とは、不動産売買において契約締結後から引渡しまでの間に支払われる売買代金の一部であり、主に建築中物件で活用されます。
売主の資金繰り支援と買主の支払分散という双方の利点がある一方、法的保護や保全措置の有無、支払時期の明記といった条件整備が不可欠です。契約内容を十分に理解した上で、中間金の扱いを慎重に判断することが、安全で円滑な取引につながります。