ビジプリ > 不動産業界用語辞典 > 【古家付き土地】

不動産業界における古家付き土地とは?

不動産業界の分野における古家付き土地(ふるやつきとち、Land with Existing Old House、Terrain avec maison ancienne)とは、土地の売買物件において、すでに古い建物(古家)が建っている状態で販売される土地のことを指します。建物は使用可能である場合もあれば、取り壊しを前提とするケースもあり、土地を主な目的として取引される点が特徴です。解体の手間や費用を買主が負担することが多く、購入後の活用方法に応じた判断が求められます。



古家付き土地の定義と実務的特徴

古家付き土地とは、老朽化した建物が残っている状態で販売されている土地物件のことです。登記上は建物が残っているため「土地」と「建物」がセットで売買されますが、実際の取引では建物の価値はほとんどない、もしくはゼロと評価されるのが一般的です。

このような物件には以下のような特徴があります。

  • 更地ではないため固定資産税が軽減されるという一時的メリットがある
  • 買主が購入後に建物を解体して更地にすることを前提とするケースが多い
  • 再建築不可や接道条件の確認が必要な場合もある
  • 物件によってはDIYやリノベーションで再利用するニーズも存在する

売主が建物を解体して「更地渡し」とする場合と異なり、古家付きのまま売ることで売主のコストや手間を削減する目的があるため、価格が比較的安く設定されることが多いです。

一方で、買主は購入後に解体費用や建築費用、行政手続きの負担が発生するため、総合的なコストを見積もって判断する必要があります。



古家付き土地の歴史と市場での位置づけ

古家付き土地という表現は、戦後の住宅供給不足から生まれた中古住宅市場と、土地に対する根強い所有欲求が交差する中で自然に使われるようになった実務的な用語です。

特に高度経済成長期に大量供給された木造住宅やプレハブ建物が築数十年を経過する中で、建物の資産価値が下がる一方、土地の価値が維持されるという現象が顕著になり、「古家付き土地」という分類が取引上定着しました。

2000年代以降は、住宅のライフサイクルの短さやリノベーション文化の浸透により、古家を活かす選択肢も徐々に増え、再利用可能な古家付き土地として、投資家や若年層の間で注目される場面も出てきました。

一方、法的には「建物が存在する土地」のため、再建築の可否や用途地域、容積率・建ぺい率、接道義務などの制約に注意する必要があります。古家の建築年月・構造・設備の状況も重要な確認ポイントです。

自治体によっては、空き家対策や土地活用促進のために、古家付き土地の流通を後押しする制度も登場しており、都市部・地方を問わず需要と供給の場が広がりつつあります。



まとめ

古家付き土地とは、築年数の経過した建物が残された状態で販売される土地であり、実質的には土地の価値が重視される取引です。

解体・再建築・再利用のいずれを選ぶかにより、買主の判断や目的に応じた柔軟な対応が求められる物件であり、コスト・法規制・地域条件などの確認を通じて、将来の活用計画に合致するかを見極めることが大切です。

▶不動産業界用語辞典TOPへ戻る

↑ページの上部へ戻る

ビジプリの印刷商品

ビジプリの関連サービス