不動産業界におけるSRC造とは?

不動産業界の分野におけるSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)(えすあーるしーづくり、Steel Reinforced Concrete Structure、Structure en b?ton arm? avec charpente en acier)とは、鉄骨(Steel)を骨組みとし、その周囲を鉄筋コンクリートで被覆した構造方式で、鉄骨造と鉄筋コンクリート造の長所を併せ持つ高耐久・高耐震の建築工法です。主に超高層ビルや大規模マンション、公共建築物などに用いられ、構造強度と安全性の高さから資産価値が高く評価される構造形式です。



SRC造の構造と性能的特徴

SRC造は、「Steel Reinforced Concrete」の略で、鋼材(鉄骨)を骨組みとし、その周囲を鉄筋コンクリートで補強・被覆する構造です。鉄骨の引張力への強さと、鉄筋コンクリートの圧縮力・耐火性を組み合わせることで、構造的に非常に優れた建物を実現します。

主な特徴は以下の通りです。

  • 極めて高い耐震性を持ち、大地震にも強い構造
  • 耐火性・遮音性・耐久性に優れ、居住環境が安定
  • 長期の資産価値維持が見込めるため、投資物件にも適している
  • 構造が重厚で、建築コストや工期がRC造やS造より高くなる傾向

こうした特性から、SRC造は地上10階以上の中高層建築や、人命保護が重視される病院・庁舎・集合住宅などに多用されます。また、法定耐用年数は47年とRC造と同じですが、実際にはより高い耐用性を持つ構造体と評価されることが多いです。



SRC造の歴史と活用の広がり

SRC造は、19世紀末にフランスで誕生した鉄筋コンクリート構造を基盤とし、20世紀初頭から欧米で発展しました。日本では大正時代から一部の公共建築や工場で導入され、昭和中期には高層マンションやオフィスビルの主力構造として急速に普及しました。

戦後の都市再建期には、RC造に比べて柱や梁のスリム化が可能なSRC造が注目され、高度経済成長期には都市部の限られた敷地における高層化を実現する技術として広がりました。特に1970年代以降の高層マンション・タワービル建設では、耐震性・耐久性に優れたSRC造が選ばれる場面が増加しました。

その後も阪神・淡路大震災や東日本大震災などの災害を経て、より厳格な構造設計と施工管理が求められるようになり、SRC造は引き続き信頼性の高い構造形式として位置づけられています。現在では、資産性・安全性・快適性を重視する高級マンションなどで採用されることが多いです。



まとめ

SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)とは、鉄骨と鉄筋コンクリートを組み合わせた高強度構造であり、耐震性・耐火性・耐久性において最上位クラスの性能を誇る建築方式です。

初期費用や工期はかかるものの、長期的な安全性と資産価値の安定が見込まれる点から、中高層建築の理想的な構造として、今後も都市開発・再開発において重要な役割を担い続けるといえます。

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