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不動産業界におけるBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)とは?

不動産業界の分野におけるBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)(べるす、Building-Housing Energy-efficiency Labeling System、Systeme d’?tiquetage de la performance ?nerg?tique des b?timents)とは、建築物の省エネ性能を第三者機関が評価し、分かりやすい「星の数」で表示する制度です。住宅・非住宅を問わず、エネルギー効率を見える化することで、省エネ性能に優れた建物の普及を促進することを目的としており、環境配慮型不動産選びの新たな基準として注目されています。



BELSの制度内容と評価基準

BELS(ベルス)とは、国土交通省が推進する建築物の省エネ性能表示制度のひとつで、第三者評価機関が建物の一次エネルギー消費性能を評価し、1?5段階の星マークでその性能を表示する制度です。

主な評価指標は以下のとおりです。

  • BEI(Building Energy Index):基準一次エネルギー消費量に対する設計一次エネルギー消費量の割合(1.0未満で省エネ)
  • 評価対象:住宅、共同住宅、事務所、学校、店舗など新築・既存を問わず対象
  • 評価ランク:★(最低)~★★★★★(最高)までの5段階表示

BELS評価を取得することで、環境配慮への姿勢を可視化できるだけでなく、住宅ローン優遇や各種補助金申請における要件となることもあります。また、販売時・賃貸時の競争力向上にも寄与します。



BELS制度の歴史と導入背景

BELSの制度は、2013年に国土交通省が建築物の省エネルギー性能向上を目的として整備を開始し、2016年4月に本格的な運用がスタートしました。背景には、地球温暖化対策とエネルギー消費削減の国際的な要請があり、住宅やビルといった建築物のエネルギー消費を「見える化」することが求められていました。

日本では、これまで家電製品にはエネルギー効率表示(統一省エネラベル)などが導入されていましたが、建築物には統一的な指標がありませんでした。そこで、建築物の省エネ性能を星評価で表す仕組みとしてBELSが創設されました。

また、2016年施行の「建築物省エネ法」や、長期優良住宅制度・ZEH(ゼッチ)住宅の普及政策と連動して、BELSの取得が公的制度の評価基準の一部として活用されるようになりました。現在では、不動産売買・賃貸における付加価値評価の指標として徐々に浸透しています。

今後は、カーボンニュートラルを目指す流れの中で、BELSの義務化や普及促進策の強化が進むと見られ、建築物の環境性能表示としてますます注目される存在となるでしょう。



まとめ

BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)とは、建物の省エネ性能を定量的に評価し、★1?★5の星マークで視覚的に表示する制度であり、環境配慮型不動産の価値を明確に示す手段です。

脱炭素社会を背景に、住宅・商業施設の省エネ性能が重要な選定基準となる中で、BELSは今後の不動産評価における基本的な指標として、市場の透明性と環境性能の訴求力を高める役割を担っています。

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