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不動産業界における建築完了検査とは?

不動産業界の分野における建築完了検査(けんちくかんりょうけんさ、Building Completion Inspection、Inspection de l’ach?vement de la construction)とは、建物の工事がすべて完了した後に、設計図通りに施工され、建築基準法などの法令に適合しているかを行政や指定確認検査機関が確認する検査を指します。検査に合格すると「検査済証」が交付され、住宅ローンや登記、入居に必要な手続きが可能となる重要なプロセスです。



建築完了検査の目的と流れ

建築完了検査は、建築主が建物の工事を終えた後に、確認済証を交付した機関(行政または指定確認検査機関)に申請し、建物が設計図や建築基準法等に適合しているかを現地でチェックする法定検査です。

検査の主な確認項目は以下の通りです。

  • 建物の位置・規模・構造が建築確認の内容と一致しているか
  • 避難経路や開口部、防火設備の設置が適正であるか
  • 給排水、換気、通風、採光などの生活機能に関する基準が満たされているか

検査に合格すると「検査済証」が交付されます。この証明書は、建物の適法性を示す公式な文書であり、住宅ローンの実行や登記、引き渡しの際の必須書類とされます。

一方、不合格となった場合には指摘事項の是正を求められ、再検査を経てから合格となります。検査は原則として工事完了後4日以内に実施されることが建築基準法で定められています。



制度の背景と歴史的な意義

建築完了検査は、1950年に制定された建築基準法に基づく制度であり、安全で適法な建築物の供給を目的に導入されました。かつては制度運用が緩やかで、検査済証の取得率が低く、違法建築物や未検査住宅が市場に流通する問題がありました。

この問題が顕著になったのが2005年の耐震偽装事件です。この事件を契機に、国土交通省は制度の厳格化を図り、建築確認・中間検査・完了検査の重要性を再認識させる動きが強まりました。

現在では、住宅ローンの実行条件に「検査済証の提出」が必須とされることが多く、また不動産登記や売却時にも必要となることから、完了検査を受けることが事実上義務化されるケースが一般的です。

また、中古住宅の資産価値や信頼性を高める上でも、「検査済証があるかどうか」は非常に重要視される指標となっています。



まとめ

建築完了検査とは、建物完成後に行われる適法性と安全性を確認するための重要な最終検査であり、検査済証の取得によって初めて建物が法的に認められるという位置づけです。

安全な住まいと公正な取引を支えるこの検査は、不動産価値の維持と安心の提供に不可欠な制度といえます。

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