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不動産業界における住宅金融支援機構とは?

不動産業界の分野における住宅金融支援機構(じゅうたくきんゆうしえんきこう、Japan Housing Finance Agency、Agence japonaise de financement du logement)とは、国が設立した独立行政法人であり、主に長期・固定金利の住宅ローン「フラット35」を通じて、国民の安定的な住宅取得を支援することを目的とした機関です。安全性・耐久性に優れた住宅の普及や、住宅ローン市場の健全な発展を促す存在として、不動産取引の重要なインフラとなっています。



住宅金融支援機構の役割と業務内容

住宅金融支援機構は、かつて存在した「住宅金融公庫」の業務を引き継ぎ、2007年に誕生した独立行政法人です。主な業務は、民間金融機関と連携して提供される住宅ローン「フラット35」の運営であり、長期固定金利での住宅資金の安定供給を通じて、多くの人々の住宅取得を支援しています。

フラット35は、以下のような特徴を持ちます。

  • 返済期間が最長35年
  • 金利が固定であり、返済計画が立てやすい
  • 住宅の技術基準を満たすことが必要
  • 繰り上げ返済手数料が無料

また、機構は災害時や少子高齢化社会への対応として、リフォームローンの保証支援高齢者向け融資制度なども展開しています。近年では、省エネ住宅や長期優良住宅といった性能重視の物件に対する支援策も充実しています。



制度の沿革と背景

住宅金融支援機構の前身である住宅金融公庫は、1950年に設立され、戦後復興期における住宅不足解消のために、国民向けの住宅ローン制度を担ってきました。当初は直接融資を主とし、多くの家庭の住宅取得を支援しました。

しかし、バブル経済崩壊後の金融環境変化や市場の成熟を受けて、公的機関が全面的に住宅ローン市場を担う仕組みから、民間との協働による間接支援型へと転換が求められるようになります。

この流れを受けて2007年に住宅金融公庫は廃止され、新たに住宅金融支援機構が発足しました。これにより、直接融資は廃止され、証券化支援を通じた民間ローンの後方支援が中心業務となりました。フラット35もこの制度変更に伴い登場し、今日まで多くの住宅取得者に利用されています。

さらに、地震や豪雨などの自然災害が頻発する中で、被災住宅の再建支援や災害復興ローン保証制度などの対応も強化されています。



まとめ

住宅金融支援機構とは、住宅取得を支援するために長期固定金利の住宅ローンや住宅性能に応じた支援制度を提供する国の機関であり、安心で持続可能な住環境づくりに貢献する重要な存在です。

民間金融機関との連携によって、市場全体の安定性と消費者保護を実現する制度として、今後もその役割はさらに広がっていくと見込まれます。

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