不動産業界における理事会とは?

不動産業界の分野における理事会(りじかい、Board of Directors、Conseil d’administration)とは、マンションなどの集合住宅において管理組合の実務を執行するために選出された理事たちによって構成される組織を指します。理事会は総会で決議された方針に基づき、日常的な管理運営や業者との契約、修繕計画の策定などを行う執行機関です。住民の代表として機能し、マンションの健全な運営に重要な役割を果たしています。



理事会の役割と構成

理事会は、管理組合における執行機関として、総会の決議に基づく日常的な運営業務や意思決定の実務を担う組織です。通常、理事長・副理事長・会計・監事などの役職を含む理事数名で構成されます。

主な業務内容としては、管理会社との契約管理、修繕計画の立案と進行管理、総会への議案提出準備、住民からの相談対応などが挙げられます。また、トラブルや緊急時の初期対応を担うケースもあります。

理事会のメンバーは多くの場合、区分所有者の中から任期制で選出され、ボランティアとして活動することが一般的です。理事会は定期的に会合を開き、重要事項を審議・決定して記録に残します。



理事会制度の歴史と制度背景

理事会の制度は、1962年(昭和37年)に施行された「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)」と、それに基づく管理規約の整備により、マンションの自主管理を実現する仕組みとして導入されました。

従来、集合住宅の管理は管理会社任せとなることが多く、住民の意見が反映されにくい運営が課題でした。そこで、住民主体による合議制の執行機関として理事会が位置づけられ、管理組合の実務を代表する役割を担うようになったのです。

現在では、国土交通省の「標準管理規約」にも理事会の設置が明記されており、住民自治の強化と透明性の高い管理運営を実現する制度として定着しています。



まとめ

理事会とは、管理組合における日常運営の中心となる執行機関であり、総会の方針に従って業務を進行させる住民の代表組織です。

トラブル対応や修繕計画、業者とのやり取りなど、住まいの快適性を支える重要な役割を果たしており、自主性と協調性に基づく住民参加型の管理運営の要となっています。

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