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不動産業界における共有持分とは?

不動産業界の分野における共有持分(きょうゆうもちぶん、Co-ownership Share、Quote-part en indivision)とは、1つの不動産に対して複数の所有者が存在し、それぞれが持つ所有権の割合を示す概念です。共有者は不動産の全体に対して権利を持つものの、単独でその全部を使用・処分することはできず、他の共有者との協議や合意が求められます。相続や共同購入などが主な発生要因であり、管理や処分には法的な制約も伴います。



共有持分の意味と具体的な構造

共有持分は、不動産を複数人で所有している場合に、それぞれの所有者が持つ持分割合を示す概念です。たとえば土地や建物を兄弟で相続した場合や、夫婦で共同購入した場合などに発生し、それぞれが不動産全体に対して分割された割合で権利を持ちます。

共有者の持分は登記簿に明記され、原則として全体の用途変更や売却などには共有者全員の合意が必要です。日常的な管理行為(清掃や軽微な修繕)であれば持分の過半数、変更や売却など重大な処分については全員の同意が必要となるなど、権利の行使には一定の制限があります。

また、持分の譲渡については、第三者への売却も可能ですが、他の共有者には優先的に買い取る「持分買取請求権」が認められています。



共有持分の歴史と制度的背景

日本の民法における共有制度は明治時代に整備されたもので、現行民法第249条以下にその定義とルールが定められています。

従来、共有は家族間の相続や農地の共有所有などが主な背景でしたが、近年では投資目的での共有購入や、親子・夫婦間での住宅取得におけるローン対策のための持分設定が一般化しています。

一方で、共有は処分の自由が制限されやすく、将来的に「共有者間の意見対立」「使用権の不明確さ」「売却困難」といったトラブルを招くリスクもあります。そのため、共有状態を解消する手段として、持分の売却や分筆(物理的な分割)、共有物分割請求訴訟といった手続きが用いられることもあります。



まとめ

共有持分とは、複数人が1つの不動産を持つ際のそれぞれの所有割合を示すものであり、不動産を共有する形態において重要な権利関係の基礎となる概念です。

共有は利便性と柔軟性を持つ一方で、合意形成の難しさや処分制限などの課題も内在しており、将来的なリスクへの理解と対応策の検討が重要です。

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