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不動産業界における住生活基本計画とは?

不動産業界の分野における住生活基本計画(じゅうせいかつきほんけいかく、Basic Plan for Housing Life、Plan de base pour la vie r?sidentielle)とは、住宅に関する政策の基本方針や目標を示す国の住宅政策の最上位計画であり、「住生活基本法」に基づいて策定されます。計画は10年程度の長期を見通したもので、国民が安心して良質な住まいで生活できる環境整備を目的としており、住宅供給・空き家対策・高齢者支援・省エネ住宅の普及など多岐にわたる施策が含まれます。



住生活基本計画の構成と基本的な役割

住生活基本計画は、住宅の質や供給体制、地域における居住支援施策を総合的に体系化した国全体の住宅政策の基本方針を示す計画です。計画期間は概ね10年間とされ、5年ごとに見直されます。

この計画の主要な構成要素には、以下のような項目があります。

  • 住宅ストックの質の向上と長寿命化の推進
  • 空き家の有効活用と流通促進
  • 高齢者や子育て世帯への居住支援
  • 省エネルギー住宅の普及や脱炭素社会への対応

これらの取り組みは、国だけでなく自治体が策定する「都道府県住生活基本計画」や「市町村住生活基本計画」にも連携され、地方と連動した住生活政策の基盤となっています。



制度誕生の背景と社会的意義

住生活基本計画は、2006年に施行された「住生活基本法」を根拠に誕生しました。それまでの住宅施策は「住宅建設計画法」に基づいた量的な住宅供給を目的とした計画が中心でしたが、社会の成熟とともに、住宅の質の向上や生活環境の整備が求められるようになりました。

そのため、住宅政策の転換点として、住宅を「生活の基盤」として捉える考え方が取り入れられ、量から質への転換が進められました。以降、2011年、2016年、2021年と複数回にわたって見直され、超高齢社会・人口減少・空き家問題・気候変動への対応といった新たな課題を反映した計画へと発展しています。

特に近年では、コロナ禍による住まいの見直しテレワークの普及による住宅ニーズの変化、災害対策としての住環境整備なども重要なテーマとなり、時代に即した柔軟な住宅政策が打ち出されています。



まとめ

住生活基本計画とは、国民の住生活の質を高めるために国が中長期的に策定する住宅政策の指針であり、住宅政策における最高位の計画です。

住宅の量だけでなく質や多様性、環境性能、福祉との連携までを含む包括的な計画であり、地域社会の持続可能性や生活の安心を支える重要な制度として、今後も各方面での展開と進化が期待されます。

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