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不動産業界における防災まちづくりとは?

不動産業界の分野における防災まちづくり(ぼうさいまちづくり、Disaster-Resilient Urban Development、Am?nagement urbain r?silient aux catastrophes)とは、地震・水害・土砂災害などの自然災害から生命・財産を守るために、都市計画や不動産開発の段階から防災機能を高める設計や整備を行う取り組みを指します。住宅地の耐震化、避難経路の確保、危険区域の用途制限などが含まれ、災害に強い安全・安心な都市づくりを目指す重要な方針として注目されています。



防災まちづくりの基本的な考え方と主な手法

防災まちづくりは、都市や住宅地の開発において、自然災害への備えをあらかじめ計画に組み込み、被害の最小化と迅速な復旧を図ることを目的としています。不動産分野では、特に建築物の耐震性や立地条件、インフラ整備、防災空間の配置などが重視されます。

代表的な取り組みには以下が含まれます。

  • 耐震・耐火性能の高い建物の誘導
  • 土砂災害警戒区域や浸水想定区域における建築規制
  • 避難所や広場、防災公園などの設置
  • 防災拠点となる公共施設の整備
  • 狭隘道路の拡幅や延焼遮断帯の確保

こうした整備は、住民の命を守ると同時に地域全体の資産価値維持にもつながるものであり、災害リスクが高まる現代においては都市計画の中核を成すテーマとなっています。



歴史的背景と制度の展開

防災まちづくりという概念は、阪神・淡路大震災(1995年)を契機に本格的に注目されるようになりました。都市の脆弱性や木造密集地域での火災被害が深刻化し、都市の構造自体に防災の視点を取り入れる必要性が強く認識されました。

2004年には「都市再生特別措置法」が改正され、防災都市づくり推進計画の策定が可能となりました。また、「防災まちづくり大綱」や「地域防災計画」などが各自治体で策定され、災害に強いまちづくりが政策として定着してきました。

近年では、南海トラフ地震や首都直下地震の想定被害に対する対策として、大規模開発や再開発の際に防災機能を盛り込むことが求められ民間ディベロッパーや不動産業者も防災を意識した開発計画を進めています。

さらに、2021年には「国土強靱化基本計画」が改定され、地方自治体と民間が連携した地域単位での防災まちづくりが重視されるようになり、持続可能な都市の発展と安全性の両立が一層求められています。



まとめ

防災まちづくりとは、自然災害に備えた都市設計や土地利用を通じて、被害の軽減と安全な生活環境を実現するまちづくりの手法です。

不動産開発においても、防災を意識した設計・立地選定・施設配置が不可欠となっており、地域の防災力と資産価値を両立させる都市戦略として、今後さらに重要性が高まると考えられます。

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