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不動産業界における不燃化促進とは?

不動産業界の分野における不燃化促進(ふねんかそくしん、Promotion of Fire-Resistant Urban Development、Promotion de la construction ignifuge)とは、大規模火災の被害を防ぐために、建築物の耐火・準耐火化や延焼遮断帯の整備などを推進し、火災に強い都市空間を形成する施策を指します。主に老朽木造建築物が密集する「木密地域(もくみつちいき)」などを対象に、防災都市づくりの一環として、建替え支援や規制緩和、インフラ整備が進められています



不燃化促進の定義と実施内容

不燃化促進とは、火災による人的・物的被害の拡大を防ぐために、住宅や建築物の不燃化を進める都市防災施策です。特に、密集市街地に多く存在する木造住宅や老朽建物に対して、耐火建築物や準耐火建築物への建替え誘導を目的とした行政支援が行われます。

不燃化を図る主な手法には以下が含まれます。

  • 建替え時の補助金や利子補給制度の導入
  • 延焼遮断帯の整備(道路拡幅や公園設置)
  • 避難路や防災施設との連携による不燃領域の形成
  • 建築規制や地区計画による用途制限の強化

これらの施策により、火災発生時における延焼拡大リスクを低減し、地域住民の生命・財産の安全性を向上させることが目的とされています。



歴史的背景と制度の整備

不燃化促進は、関東大震災(1923年)や東京大空襲(1945年)など、大規模災害によって甚大な火災被害が発生した歴史を踏まえて徐々に制度化されてきました。戦後の復興期以降も、都市部では木造住宅の密集が進み、火災リスクの高い地域が形成されていきました。

こうした背景から、1980年代以降、「木造密集地域の防災街区整備事業」や「防災生活圏整備計画」などが展開され、法整備としては「都市計画法」や「建築基準法」と連動した枠組みが整いました。特に、2012年には東京都が「不燃化特区制度」を導入し、重点的な不燃化エリアの選定と集中的な支援策が展開されました。

現在では、木密地域の減災対策としての不燃化が全国的な課題となっており、市街地再開発や地域の持続可能な土地利用計画と一体で推進されています。



まとめ

不燃化促進とは、都市における火災リスクを軽減するために、建築物の不燃化や延焼防止策を進める施策であり、安全な市街地の形成に欠かせない防災まちづくりの要素です。

不動産開発の観点でも、不燃化地域における建築基準や支援制度の活用は、資産価値の向上や防災性能の評価につながるため、今後ますます注目が高まる分野といえます。

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