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不動産業界における不動産クラウドファンディングとは?

不動産業界の分野における不動産クラウドファンディング(ふどうさんくらうどふぁんでぃんぐ、Real Estate Crowdfunding、Financement participatif immobilier)とは、複数の投資家がインターネットを通じて資金を出し合い、不動産の開発や運用プロジェクトに共同出資する仕組みを指します。少額からの参加が可能で、不動産投資へのアクセスを広げる新たな投資手段として注目されており、法制度の整備とともに市場拡大が進んでいます。



不動産クラウドファンディングの仕組みと特徴

不動産クラウドファンディングは、クラウドファンディングの一形態として、不動産関連の資金調達を目的に展開される手法です。投資家はオンライン上でプロジェクト情報を閲覧し、数万円から数十万円といった少額資金を分散投資することができます。

代表的な投資対象は次のとおりです。

  • 賃貸マンション、オフィス、商業施設の運用
  • 老朽不動産の再生・リノベーション
  • 新築分譲住宅や宿泊施設の開発

投資の形式は主に2種類あり、融資型(貸付型)は借り手に対する貸付によって利息収入を得るものであり、匿名組合型(出資型)は不動産の運用益や売却益を分配する形態です。後者は、金融商品取引法や不動産特定共同事業法の規制を受けることが多く、事業者には登録や届け出が必要です。



制度的背景と発展の歴史

不動産クラウドファンディングの概念は、2000年代にアメリカで広まり、日本では2010年代後半から本格的に普及しました。不動産投資型クラウドファンディングとして法整備が進められ、2017年に金融庁がガイドラインを示したことで、法令に則ったサービス提供が加速しました。

特に2019年の不動産特定共同事業法の改正により、電子取引業務(通称:電子取引型クラウドファンディング)が可能となり、非対面・オンラインでの契約締結が解禁され、個人投資家の参入が大きく増加しました。

現在では、個人の資産形成ニーズの高まりと相まって、不動産クラウドファンディング市場は拡大を続けており、安定した利回りや物件選定の多様性を強みとするサービスが続々と登場しています。また、社会課題と結びつけた「地域創生型」や「空き家再生型」など、投資の社会的意義も注目されています。



まとめ

不動産クラウドファンディングとは、インターネットを介して不特定多数から資金を集め、不動産プロジェクトに共同出資する新しい投資手法であり、少額・非対面・分散型の投資機会を提供する点で大きな魅力を持ちます。

不動産業界にとっても、資金調達の多様化や地域再生への貢献という観点から将来性の高い開発・運用モデルとして注目されており、今後の制度改正や投資家動向に注視が必要です。

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