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不動産業界における家賃保証とは?

不動産業界の分野における家賃保証(やちんほしょう、Rent Guarantee、Garantie de loyer)とは、賃貸借契約において借主が家賃を滞納した場合に、保証会社や保証人が代わって家賃を支払う仕組みを指します。賃貸人(家主)にとっては安定した収入の確保手段となり、借主にとっては連帯保証人を立てずに契約できるメリットがあり、現代の賃貸取引で標準的に用いられる制度となっています。



家賃保証の仕組みと種類

家賃保証とは、賃貸借契約に付随して、家賃の未払いが発生した際に第三者が家主へ立替え払いを行う制度です。この第三者は通常、保証会社であり、保証会社は後日借主に対して立替金の回収を行います。

家賃保証の方式は主に以下の2種類に分かれます。

  • 連帯保証人方式:借主の親族などが保証人となる旧来型の方法
  • 家賃保証会社方式:保証会社と契約し、一定の保証料を支払う現代型の方法

後者の方式では、保証期間中の家賃滞納・原状回復費用・訴訟費用などの負担もカバーされることが多く、賃貸人にとってのリスク回避手段として重宝されています。また、借主にとっては親族に負担をかけずに契約できる柔軟性が評価されています。



制度の背景と発展の経緯

家賃保証の概念は、もともと連帯保証人制度に依存していましたが、少子高齢化や単身世帯の増加により、保証人を確保できない借主が増加したことを背景に、2000年代以降に家賃保証会社を利用した制度が急速に拡大しました。

特にリーマンショック後の景気低迷時期において、貸し倒れリスクを回避したい不動産オーナーや管理会社のニーズに応じる形で、全国規模で保証会社の数が増加し、業界全体のスタンダードとして定着しました。

その一方で、保証料や更新料の不透明性、借主への督促対応の強硬さなどの問題も指摘されるようになり、2020年には消費者庁や国土交通省によるガイドライン整備が進められ、透明性や借主保護の強化が図られています。

現在では、賃貸借契約の約9割に家賃保証サービスが付帯するといわれており、賃貸ビジネスにおける不可欠な要素となっています。



まとめ

家賃保証とは、賃借人の家賃滞納リスクを保証会社や保証人がカバーする制度であり、賃貸人・借主の双方に安心感をもたらす仕組みです。

不動産業界においては、賃貸契約の信頼性向上、家賃回収の確実性を高める手段として広く利用されており、法制度・運用の整備と共に今後も重要な役割を果たし続けるといえるでしょう。

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