不動産業界における1Rとは?

不動産業界の分野における1R(わんるーむ、One Room, Studio)とは、居室とキッチンなどの生活空間が仕切られていない単一の部屋で構成された間取りを指します。主に単身者や学生などをターゲットとしたコンパクトな住空間として利用されており、家賃の手頃さや効率的な生活導線を特徴とする都市型住宅の代表的な形式です。



1Rの定義と間取りの特徴

1Rとは、「1 Room」の略称で、居住空間が一つの部屋のみで構成されており、キッチン・ベッドスペース・生活スペースが一体化している間取りを指します。バス・トイレが別か一体型かは物件によって異なりますが、キッチンにドアや壁での明確な仕切りがない点が1Rの大きな特徴です。

コンパクトなつくりであるため、専有面積は15?25㎡程度が一般的で、収納も最低限となっていることが多いですが、シンプルで掃除や管理がしやすいという利点があります。玄関から部屋全体が見渡せる構造となるため、家具配置や目隠しの工夫が求められることもあります。



言葉の由来と歴史的背景

1Rという略語は、不動産業界で間取りを分類・表示するために登場した表記のひとつです。日本における都市化とともに、単身赴任者や学生向けの賃貸住宅の需要が高まり、1970年代以降、効率的で低コストな住空間としてワンルームマンションの開発が進められました。

この頃から不動産広告などで「1R」「1K」「1DK」などの表記が用いられるようになり、簡略でわかりやすいマーケティング手法として定着していきました。1Rは、その中でも最もシンプルな構成であることから、初めての一人暮らしや短期滞在者向けの住まいとして広く浸透しました。



現在の使われ方と不動産業務への影響

現在の1R物件は、主に以下のようなニーズに応える住宅タイプとして提供されています。

  • 初めての一人暮らしをする学生や新社会人
  • 単身赴任や転勤による一時的な住まい
  • セカンドハウスとしての利用
  • 投資用物件としての収益性の高さ

不動産会社の実務においては、1Rは供給数・成約数ともに多いカテゴリーであり、比較的流動性の高い物件群です。立地や築年数、設備の有無(オートロック、インターネット無料、バストイレ別など)によって家賃が変動しやすく、競合との差別化が重要となります。

一方で、1Rの人気はエリアによって異なり、通勤利便性や商業施設との距離、安全性が重要視される傾向があります。また、近年ではリモートワークの定着により、もう少し広さを求めて1Kや1DKを選ぶ傾向も見られ、1Rの新築供給はやや減少傾向にあるものの、中古市場では依然として安定した需要があります。



まとめ

1Rは、最もシンプルな住空間を提供するワンルーム型の間取りであり、特に単身者向け賃貸市場で高いニーズを持ち続けています。住宅選びにおける経済性と利便性を重視する層にとっては最適な選択肢となっており、不動産市場において今後も一定の役割を担う存在といえるでしょう。

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