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不動産業界における約定金利とは?

不動産業界の分野における約定金利(やくじょうきんり、Agreed Interest Rate, Taux d’int?r?t convenu)とは、住宅ローンや不動産投資ローンなどにおいて、借入契約を締結する際に貸主と借主の間で合意された金利のことを指します。実際に適用される金利であり、返済計画の基礎となる重要な要素です。市場金利とは異なり、契約時点の信用状況や商品条件に基づいて設定される点が特徴です。



約定金利の定義と役割

約定金利とは、金融機関と借入人がローン契約を結ぶ際に合意し、借入期間中に適用される金利のことを意味します。これは「表面金利」や「実行金利」とも呼ばれ、返済額や利息計算の基準となる数値です。

金融機関が提示する基準金利(店頭金利)から、借入人の信用度、借入額、担保の有無、返済期間などを考慮して割引が適用されるケースが多く、「優遇金利制度」を利用した場合でも、実際に契約書に明記される金利がこの約定金利です。

固定金利型ローンでは返済完了まで約定金利が変わりませんが、変動金利型では市場動向により一定期間ごとに見直されることがあり、その際にも新たな約定金利が設定される形となります。



言葉の由来と制度的背景

約定金利という用語は、「約束する」「定める」といった意味を持つ「約定(やくじょう)」に由来し、法律用語としても広く用いられています。日本の金融実務においては、貸金業法および利息制限法などの法令に準じて、金利水準の表示や上限が定められており、これらを逸脱しない範囲で契約上合意された金利が「約定金利」として明記されます。

不動産市場における住宅ローンやアパートローンの普及に伴い、金融商品としての金利構造が多様化した1990年代以降、約定金利という言葉が一般にも浸透しました。特に変動金利型ローンが主流となる中で、実際に適用される金利水準の明確化が重要視されるようになったことが背景にあります。

また、近年ではネット銀行やフラット35などの非対面型商品においても、申し込み時点の約定金利がウェブ上に表示されるなど、情報公開の透明性が求められるようになっています。



現在の使われ方と実務上の留意点

不動産取引において、約定金利は住宅購入者や投資家の資金計画に直接影響を与える重要な指標です。例えば住宅ローンで3,000万円を借入する場合、金利が0.5%か1.0%かで総支払額は数百万円単位で変わるため、契約時に約定金利がいくらになるのかを十分に確認する必要があります。

実務上は以下の点に留意することが求められます。

  • 提示される「店頭金利」と「約定金利」が異なる場合があるため、実際に契約書に記載される金利を確認すること
  • 変動金利の場合、半年ごとに金利の見直しがあるが、返済額の見直しは5年ごとなど条件が異なる点に注意
  • ローン商品の中には、「当初数年間のみ低金利」とする「固定金利特約型」もあり、契約期間終了後の金利上昇リスクを理解しておくこと

また、金融機関によっては「キャンペーン金利」などを掲げる場合がありますが、これが恒久的な約定金利ではないケースもあるため、契約内容と実行日を明確に把握することが重要です。

不動産仲介業者やローンアドバイザーと相談する際には、金利の種類(固定・変動・ミックス)とともに、約定金利の確認が資金計画の要となる点を意識する必要があります。



まとめ

約定金利は、住宅ローンなどの借入契約において実際に適用される金利であり、返済額や資金計画を決定づける極めて重要な要素です。提示金利との違いや変動の可能性を理解し、契約時には必ず内容を確認することが、不動産取引におけるリスク管理の基本といえます。

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