不動産業界におけるMHPとは?

不動産業界の分野におけるMHP(えむえいちぴー、Manufactured Housing Park、Parc de maisons pr?fabriqu?es)とは、工場で製造されたプレハブ型住宅(Manufactured Home)を設置する集合住宅地を指す用語で、主に北米を中心に発展してきた住宅形態です。不動産投資の対象としても注目されており、低コスト・高収益の賃貸モデルとして広がりを見せています。



MHP(Manufactured Housing Park)の定義と特徴

MHP(Manufactured Housing Park)とは、複数のモバイルホームまたはプレハブ住宅を設置・賃貸することを目的とした専用の宅地を意味します。これらの住宅は工場で事前に製造された構造体を用い、現地で組み立てまたは設置されることが特徴です。

住民は通常、土地を賃貸し、住宅本体を所有するか、もしくは住宅も含めて借り受ける形で居住します。MHPでは水道・電気・下水道などのインフラ設備が共有され、コミュニティ管理者(MGR)が共用部の維持や賃貸管理を行うことが一般的です。

不動産オーナーにとっては、住宅そのものではなく土地に対する賃料収入が主な収益源であり、建物の維持コストを抑えられる点で高利回りを実現しやすい仕組みです。



言葉の由来とMHPの発展の歴史

Manufactured Housing Parkという用語は、アメリカで1950年代以降に定着した「モバイルホームコミュニティ」の進化系として登場しました。第二次世界大戦後の住宅不足に対応するために、工業化住宅の量産が始まり、それを集約的に配置するための開発地が「Housing Park」として整備されるようになりました。

1976年には米国住宅都市開発省(HUD)が住宅品質規格を策定し、これによりManufactured Homeの定義が明確化され、従来のトレーラーハウスとの差別化が進みました。MHPはこの制度整備と並行して、郊外住宅地の一部として定着し、低所得者層や高齢者を中心とした安定した居住形態となりました。

今日では、アメリカを中心に数万件のMHPが存在し、REIT(不動産投資信託)の投資対象としても人気が高まっています。日本ではまだ一般的ではないものの、空き地活用や防災住宅の提案として注目されています。



現代の不動産投資・開発におけるMHPの活用と可能性

MHP(Manufactured Housing Park)は、安定収益・低運用コスト・需要の底堅さという点で不動産投資家にとって魅力的な資産クラスとされています。特に米国では、住宅価格の高騰やインフレの影響を受けにくい住宅供給手段として、長期保有型の投資戦略に適しています。

また、MHPの土地はゾーニング(用途地域)や条例により管理されているため、新規開発が制限される傾向があります。この供給の制限が、既存物件の価値と稼働率の安定に寄与し、利回りを維持しやすい市場構造を形成しています。

将来的には、災害仮設住宅や地方のコンパクトシティ構想の中で、日本型MHPの導入可能性も考えられます。建設・運営・管理の一体型モデルとして、社会課題と投資需要の橋渡しとなることが期待されています。



まとめ

MHP(Manufactured Housing Park)とは、工場生産された住宅を集約して配置する専用の集合居住地であり、不動産投資・住宅供給の両面から注目されている開発形態です。

住宅の新しいあり方として、低コスト・高効率・社会貢献を兼ね備えたMHPは、今後の不動産業界における持続可能な選択肢の一つとして、さらなる展開が期待されています。

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