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不動産業界における二級建築士とは?

不動産業界の分野における二級建築士(にきゅうけんちくし、Second-Class Architect、Architecte de deuxi?me classe)とは、中規模までの建築物の設計および工事監理が行える国家資格を有する建築技術者を指します。主に戸建住宅や小規模な商業施設などの設計・監理を担い、住宅供給・地域開発の現場で広く活躍しています。一級建築士に比べて受験資格のハードルがやや低く、実務との親和性の高い建築資格として、不動産業界や建設業界で重要な役割を果たしています。



二級建築士の定義と業務範囲

二級建築士とは、「建築士法」に基づいて都道府県知事から免許を受けた建築士であり、木造建築物(高さ13m以下、延床面積300㎡以下)や、非木造建築物(2階建て以下、延床面積500㎡以下など)の設計・工事監理を行うことができます。

業務内容は、設計図面の作成、建築確認申請、現場監理、施主への提案など多岐にわたり、住宅メーカー、工務店、設計事務所、不動産会社などで幅広く求められます。地域密着型の物件に対応する能力に優れており、現場感覚と住まい手との距離の近さが特徴です。



資格制度の歴史と設立の背景

建築士制度は、戦後の住宅不足に対応すべく1947年に制定された「建築士法」により創設されました。その中で「二級建築士」は、より多くの実務者に設計と監理の権限を付与することを目的に設けられた資格です。

当初は「乙種建築士」と呼ばれていましたが、制度改正を経て現在の「一級」「二級」「木造」の3区分に整備されました。一級建築士が大規模・高層建築を担うのに対し、二級建築士は中小規模住宅や地域建築の専門家として位置づけられています。

受験資格は専門学校卒業や建築実務経験などが要件とされており、実践的な知識とスキルを重視する制度構成となっています。



不動産業務との関係と二級建築士の活躍領域

二級建築士は、不動産業界において以下のような場面で重宝されています。

  • 新築住宅の設計や建築確認申請の代行
  • リノベーション・リフォーム案件の図面作成・提案
  • 建築条件付き土地のプラン設計
  • 現場監理や中間検査、竣工検査への立ち会い

特に戸建て分譲住宅市場では、設計力と実行力を備えた二級建築士の存在が事業成功の鍵を握ります。建築知識を備えた不動産営業や現場担当者としても二級建築士の資格は大きな強みとされています。

今後は、ZEH住宅、バリアフリー設計、災害対策住宅などの分野でも二級建築士の活躍が期待されており、地域社会に根ざした建築実務の担い手としてその重要性はますます高まっています。



まとめ

二級建築士とは、中小規模建築の設計・監理を担う建築の専門資格者であり、不動産業務においては住宅開発・企画・現場管理など幅広い実務に直結する重要な存在です。

実務経験に裏打ちされた設計提案力や法規対応力を活かし、今後も地域建築・住環境整備の中核を担う職種として活躍が続くことでしょう。

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