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美術におけるクレヨンとは?

美術の分野におけるクレヨン(くれよん、Crayon、Crayon)は、顔料とワックスを混ぜて棒状に成形した描画用具であり、幼児の遊びから本格的な美術制作まで幅広く使用されています。発色が鮮やかで扱いやすく、紙の上で滑らかに描けるのが特徴です。油性クレヨンや水溶性クレヨンなど、用途に応じたさまざまな種類があり、アート作品やイラスト、教育現場など多様な分野で活用されています。



クレヨンの歴史と発展

クレヨンの起源は古く、16世紀のヨーロッパでは、炭や顔料を固めた描画用具が使用されていました。現在のクレヨンに近い形が登場したのは19世紀で、フランスの画家ジャン=フランソワ・ミレーなどが、顔料とワックスを組み合わせた描画材料を試みたことがきっかけとなりました。

20世紀に入ると、アメリカのクレヨラ社が子ども向けのクレヨンを開発し、学校教育で広く使われるようになりました。その後、日本を含む世界各国で独自の製造方法が確立され、耐久性や安全性を向上させたクレヨンが普及しました。



クレヨンの種類と特徴

クレヨンにはさまざまな種類があり、用途や技法に応じて使い分けることができます。

1つ目の種類は油性クレヨンで、ワックスを主体とした描画用具です。紙にしっかりと定着し、発色が良いのが特徴ですが、混色が難しいという側面もあります。

2つ目は水溶性クレヨンで、水を加えることで水彩のような表現が可能になります。重ね塗りやにじみの効果を出すことができ、より自由な描画が可能です。

3つ目はパステルクレヨンで、ワックスを少なくし、顔料を多く含むことで、より柔らかい描画が可能です。色を指でぼかしたり、他の色と混ぜたりすることができます。



クレヨンの活用と市場

クレヨンは、子どもの絵画教育、イラスト、デザイン、アート作品など幅広い分野で使用されています。特に、幼児や小学生向けの教育ツールとして、簡単に描けて安全性が高いことから、多くの学校や家庭で親しまれています。

また、プロのアーティストの間でも、クレヨンを活用した独自の技法が開発されており、独特のテクスチャや色の深みを活かした作品が制作されています。

さらに、最近では環境に配慮したクレヨンの開発が進んでおり、植物由来のワックスを使用した製品が注目されています。



クレヨンの未来と課題

クレヨンは扱いやすい画材ですが、一方で細密な表現には向かないという課題もあります。特に、鉛筆やペンと比べると、線のシャープさが求められる作品には不向きです。

また、従来の石油由来のワックスを使用したクレヨンは、環境負荷の問題が指摘されており、持続可能な素材の開発が求められています。

さらに、デジタルアートの発展に伴い、クレヨンの質感をデジタル上で再現する技術が進んでおり、アナログとデジタルの融合が今後の課題となっています。



まとめ

クレヨンは、扱いやすく発色が良い描画用具として、教育やアートの分野で広く活用されています。

今後は、環境への配慮やデジタル技術の発展を取り入れながら、新しい表現方法や素材の開発が進んでいくことが期待されます。


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