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美術におけるバウハウスの機能主義デザインとは?

美術の分野におけるバウハウスの機能主義デザイン(ばうはうすのきのうしゅぎでざいん、Bauhaus Functional Design、Design fonctionnel du Bauhaus)は、20世紀初頭にドイツのバウハウス学派によって提唱されたデザイン理念で、機能性を重視し、装飾や無駄を排除したシンプルで合理的な美を追求することを特徴とします。このデザイン理念は、現代デザインや建築に大きな影響を与えました。



機能主義デザインの基本的な考え方

バウハウスの機能主義デザインは、形式が機能に従うという理念に基づいています。すなわち、物の形や構造は、その機能や使用目的に最適化されるべきだとされました。この考え方は、装飾的な要素や不必要な装飾を排除し、デザインそのものが使いやすさと効率性を最大限に高めるものであるべきだとするものです。

バウハウスのデザインでは、直線的で簡潔な形状が好まれました。これにより、視覚的な要素としての美しさが引き立つとともに、使用する人々の利便性も向上しました。例えば、椅子やテーブルなどの日常的に使用される家具は、機能と美が一体化したものとしてデザインされました。



バウハウスの機能主義デザインが与えた影響

バウハウスの機能主義デザインは、家具や建築の分野にとどまらず、広範な分野に影響を与えました。特に工業デザインやグラフィックデザインなどの分野で、無駄のないシンプルで実用的なデザインが評価され、モダニズムの重要な要素として位置付けられるようになりました。

例えば、バウハウスの設計者たちは、鉄とガラスといった現代的な素材を使用し、建物の構造と美しさを統合しました。無駄な装飾を排除し、建物の機能性を最大化することを目指した建築は、後の現代建築に多大な影響を与えました。合理的な美学は、以降のデザインの基準となり、シンプルで洗練されたデザインが世界中で普及しました。



バウハウスの代表的なデザイン作品と技法

バウハウスで展開された機能主義デザインは、家具から建築、グラフィックデザインに至るまで幅広い分野で表現されました。たとえば、バウハウスの学生であったマルティン・ウェーゲマンがデザインした「ウィンター・テーブル」や、ヴァルター・グロピウスによる「バウハウス建築」などがその代表例です。

これらの作品では、素材や技法が常に機能を最優先にして選ばれ、シンプルでありながら力強い印象を与えます。特に「ウィンター・テーブル」は、木材と金属の組み合わせが見事であり、効率的で耐久性の高いデザインとして今もなお評価されています。



現代におけるバウハウスの機能主義デザイン

バウハウスの機能主義デザインは、20世紀後半のポストモダンや現在のミニマリズムなど、多くのデザイン運動に影響を与え続けています。現代の製品デザインや建築でも、その理念は引き継がれており、機能と美しさが調和したシンプルで効率的なデザインが求められています。

特に、現代の家具デザインやテクノロジー製品においては、機能主義デザインの要素が日常的に取り入れられています。例えば、Appleの製品デザインは、バウハウスの精神を継承し、洗練されたシンプルなデザインが機能性とともに提供されています。



まとめ

バウハウスの機能主義デザインは、芸術とデザインにおける重要な転換点を作り出しました。形式が機能に従うという理念に基づき、シンプルで実用的な美が追求され、現代デザインに多大な影響を与えました。

その理念は、現代のデザインにおいても息づいており、効率性と美を兼ね備えた製品や建築が今日も世界中で作り続けられています。


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