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印刷業界におけるアイオノマフィルムとは?

印刷業界におけるアイオノマフィルムとは?(あいおのまふぃるむ、Ionomer Film、Film ionomère)

アイオノマフィルムとは、イオノマー樹脂を原料として製造されるフィルムで、優れた透明性、耐久性、耐熱性を持つ材料です。主にパッケージングやラミネート用途で使用されており、印刷業界においてもその特性を活かしてさまざまな製品の加工や保護に利用されています。特に、食品パッケージや高級印刷物の表面保護として重宝されているフィルムです。


アイオノマフィルムの歴史と由来

アイオノマフィルムは、20世紀後半に開発された素材で、イオノマーという特殊な樹脂を使用しています。イオノマーは、エチレンとメタクリル酸の共重合体であり、メタクリル酸がイオン化されることで、優れた透明性と耐衝撃性を発揮します。この特性が評価され、パッケージングや保護材として広く採用されるようになりました。

特に食品包装やスポーツ用品(例:ゴルフボールのカバー材)での利用が多く、印刷業界にもその耐久性と加工適性が注目され、様々な用途に応じたフィルムとして発展してきました。印刷業界での利用は、パッケージの表面保護や高級感を演出するために用いられ、現在では多くの印刷製品に不可欠な素材となっています。

アイオノマフィルムの構成と役割

アイオノマフィルムの構成は、主に以下のような要素で成り立っています:

  • イオノマー樹脂: フィルムの基材となるイオノマー樹脂は、高い透明性と耐衝撃性を持ち、耐久性にも優れています。
  • 高い透明性と光沢: アイオノマフィルムは非常に透明で、光沢があるため、印刷物やパッケージの見栄えを向上させる役割を果たします。
  • 優れた加工適性: ラミネート加工や熱成形に適しており、印刷業界での利用が容易です。これにより、複雑な形状の製品や高い耐久性が求められるパッケージでも使用されています。

アイオノマフィルムの主な役割は、印刷物やパッケージの保護、または装飾です。例えば、食品パッケージに使用される場合、内容物を外部のダメージから守りつつ、商品の魅力を引き立てるために使用されます。さらに、高級印刷物においては、表面の保護や質感の向上を目的としてアイオノマフィルムが使われます。

アイオノマフィルムの現在の使われ方

今日の印刷業界におけるアイオノマフィルムの使用は多岐にわたります。特に、ラミネート加工においては、フィルムの高い耐久性が評価され、食品パッケージや医療用パッケージ、さらには化粧品の包装材としても広く利用されています。

また、アイオノマフィルムはリサイクル性が高く、環境への配慮が求められる現代の製品設計にも適しています。これにより、持続可能なパッケージング材料としての役割も担っています。さらに、高級印刷物の仕上げ材としても、独特の光沢と手触りが求められる場面で使用され、印刷製品の価値を高める要素として欠かせません。

アイオノマフィルムは、今後もその優れた特性を活かし、印刷業界やパッケージング業界での利用が拡大していくことが予想されます。

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