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印刷業界におけるブリスター包装とは?

印刷業界における「ブリスター包装」(ふりがな:ぶりすたーほうそう、英:Blister Packaging、仏:Emballage Blister)とは、製品を透明なプラスチックシートと台紙で密閉する包装方法を指します。この包装は、製品の保護や視認性の向上、さらに消費者への訴求力を高めるために広く使用されています。印刷業界では、台紙部分に商品情報やデザインを印刷する工程が重要で、パッケージ全体の品質に影響を与えます。


ブリスター包装の概要

ブリスター包装は、製品を透明なプラスチック製のシェル(ブリスター)に収め、裏面を台紙やアルミ箔で密閉する方法です。この包装形式は、製品が完全に保護されながらも、透明なプラスチックによって商品が見える点が特徴です。

  • 透明性:消費者がパッケージを開封することなく製品を確認できます。
  • 保護機能:ブリスターが製品を湿気、衝撃、埃などから守ります。
  • 情報提供:台紙に印刷される情報(商品説明、ブランドロゴなど)が消費者の購買意欲を高めます。

特に、薬品、電子機器、小型の消費財(玩具、文房具など)の包装において広く活用されています。台紙部分は、製品の特徴をアピールする重要な役割を果たすため、印刷技術が大きな影響を及ぼします。

ブリスター包装の歴史と由来

「ブリスター」という言葉は、英語で「水疱」や「膨らみ」を意味し、透明なプラスチックが膨らんだ形状で製品を包み込む様子から名付けられました。この包装方法が初めて商業的に使用されたのは1950年代で、プラスチックの成形技術が進化した時期に遡ります。

当初、薬品業界で錠剤やカプセルの個別包装として開発され、次第に多くの業界で採用されるようになりました。特に、小売業界では、商品が見える状態で安全に展示できる点が評価され、玩具や電子部品の包装としても一般的になりました。

印刷業界においては、ブリスター包装の台紙に高品質なデザインや情報を印刷する工程が重要視され、UV印刷やラミネート加工などの技術が活用されています。

現代のブリスター包装の使われ方

現在、ブリスター包装は多岐にわたる用途で使用されています。その利便性と視認性の高さから、さまざまな業界で活用されています:

  • 医薬品:錠剤やカプセルの個別包装に使用され、安全性と利便性を提供します。
  • 消費財:小型の商品(電池、文房具、玩具など)を保護し、店頭での販売促進に役立ちます。
  • 工業部品:ネジや電子部品など、小型の部品を分類しやすく保管するために使用されます。
  • 食品業界:お菓子やスナックの個別包装としても使用されています。

印刷業界では、特に台紙部分に以下のような加工が求められます:

  • 高品質印刷:製品のブランド価値を高めるため、鮮明なデザインと文字が必要です。
  • 特殊加工:防水や耐久性を向上させるためのラミネートやコーティングが施されます。
  • 環境対応:近年では、リサイクル可能な素材や印刷方法が注目されています。

ブリスター包装の利点と注意点

ブリスター包装の利点には以下のものがあります:

  • 製品の保護:透明なプラスチックが外部からの衝撃や湿気を防ぎます。
  • 視認性の向上:消費者が商品を確認しやすいため、購買意欲を高めます。
  • ブランド価値の向上:台紙に高品質なデザインを印刷することで、ブランドイメージを向上させます。

一方、以下の注意点も考慮する必要があります:

  • 環境負荷:プラスチックを多用するため、リサイクル可能な素材の使用が課題となっています。
  • 製造コスト:高品質な印刷や特殊加工が必要な場合、コストが増加します。
  • デザインの制約:プラスチックの形状や台紙の印刷面積により、デザインに制約が生じることがあります。

まとめ

ブリスター包装は、製品を保護しながら視認性を高める優れた包装方法として、幅広い業界で利用されています。その歴史は1950年代に始まり、現在では台紙の印刷技術と合わせて進化を遂げています。環境対応の課題を克服しつつ、さらに魅力的で機能的なブリスター包装が求められる時代となっています。

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