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キャリアペーパーとは?

印刷業界における「キャリアペーパー」(ふりがな:きゃりあぺーぱー、英:Carrier Paper、仏:Papier Support)は、印刷や加工の過程で他の素材を支える役割を持つ紙を指します。キャリアペーパーは、ラベルやシールの製造工程で粘着素材を支えるための台紙として広く使われ、最終製品の一部にはならないものの、品質や作業効率に影響を与える重要な要素です。耐久性や適切な剥離性能を持つことが求められます。


キャリアペーパーの概要

キャリアペーパーは、印刷や加工の際に材料を支えるために使用されるサポート用の紙で、特にシールやラベルの製造において重要な役割を果たします。この紙は粘着剤を塗布したラベルやステッカーの台紙として機能し、製品が貼られるまでの間、粘着面が外部に触れないように保護します。キャリアペーパーは粘着素材からスムーズに剥がれることが求められ、通常はシリコンなどで表面加工が施されています。

また、キャリアペーパーは製品搬送や自動ラベリング機での貼付け作業にも活用され、ラベルやステッカーを正確な位置に配置するためのガイドの役割も果たします。そのため、印刷業界では「剥離紙」とも呼ばれ、粘着性を保護しつつ、スムーズな作業が行えるように設計されています。

キャリアペーパーの歴史と発展

キャリアペーパーの概念は、粘着ラベルの普及と共に発展してきました。20世紀初頭に粘着ラベルが登場すると、その貼り付け作業を効率化するために台紙が必要とされるようになり、キャリアペーパーが使用され始めました。1950年代には、シリコンコーティング技術が開発され、これにより粘着剤がキャリアペーパーに付着しにくくなり、剥がしやすさが向上しました。

さらに、1970年代以降の自動ラベリング機の登場により、キャリアペーパーの品質はますます重要視されるようになりました。耐久性の高いキャリアペーパーが求められ、自動貼付け作業の効率化や安定性を支える存在となっています。現在では、様々なニーズに対応するため、耐久性や剥離性に優れたキャリアペーパーが開発されています。

キャリアペーパーの種類と特性

キャリアペーパーは、用途や製品に応じてさまざまな種類があります。一般的なものには、紙製キャリアペーパーとフィルム製キャリアペーパーがあり、それぞれの特性によって使い分けられます。紙製キャリアペーパーは、コストが比較的低く、手作業でのラベル貼付けに適しているため、通常のラベル製品に使用されます。

一方、フィルム製キャリアペーパーは、耐水性や耐久性に優れており、工業用途や耐候性が必要な場面で使用されます。フィルム製のキャリアペーパーは自動ラベリング機でも使用されやすく、ラベルを正確かつスムーズに搬送するため、精度が求められる場面において選ばれます。

現在のキャリアペーパーの重要性と使用例

キャリアペーパーは、ラベルやシール製品を効果的にサポートするため、印刷業界において欠かせない存在となっています。特に、食品や医薬品のラベルには衛生面や耐久性が求められるため、品質の高いキャリアペーパーが使用されます。また、消費者製品のラベルは視覚的な訴求力が重要視されるため、剥がしやすさや表面加工にこだわったキャリアペーパーが必要です。

さらに、物流業界でもキャリアペーパーは広く活用され、荷札やバーコードラベルに用いられています。自動ラベリング機を用いることで、大量のラベル貼付け作業を効率化し、キャリアペーパーが持つ剥離性が生産性に影響を与えるため、厳格な品質管理が行われています。

まとめ

キャリアペーパーは、印刷業界で粘着ラベルやシール製品を支えるための重要な役割を担う素材です。ラベルの製造過程から自動貼付けに至るまで、品質と効率を確保するために、剥離性や耐久性に優れたキャリアペーパーが不可欠です。今後も、さらなる技術革新により、環境に配慮した素材の開発や、用途に応じた高機能キャリアペーパーの需要が高まることが予想されます。

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