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カットパス設定とは?

印刷業界におけるカットパス設定(かっとぱすせってい、Cut Path Setting / Définition de la Ligne de Coupe)とは、ステッカーやラベル、パッケージなどの印刷物を特定の形状に切り抜くために必要な「カットパス」と呼ばれる切断用の線をデザインデータ内に設定する作業のことです。カットパス設定により、自動カッティング機械が正確な形で印刷物を切断できるようになります。現在では、デザインソフトを用いてミリ単位の精度で設定され、正確で効率的な裁断が可能です。


カットパス設定の歴史と役割

カットパス設定の技術は、ステッカーやパッケージの多様化とともに発展しました。従来は印刷物の切断が手作業で行われていましたが、デザインごとに特定の形状が求められることが多くなり、効率的なカッティング方法が必要となりました。20世紀後半に自動カッティング機械が普及すると、デザインデータ内に切断ガイドを設定する「カットパス」が使用されるようになりました。

「カットパス(Cut Path)」という名称は、英語で「切断する(Cut)」と「経路(Path)」を意味し、切断用の線を指します。この設定により、デザインデータが機械で正確に切り取られるようになり、複雑な形状のラベルやパッケージでも高精度なカッティングが可能となりました。

カットパス設定の方法とプロセス

カットパス設定は、Adobe Illustratorなどのデザインソフトで作成され、主に以下の手順で行われます。

1. カットパス用の線を作成: 印刷物のデザインに沿った形状で、カットパス用の線を設定します。カットパス用の線は、他のデザインと区別するために専用のレイヤーに配置され、通常は特定の色(例えばマゼンタや赤)で示されます。

2. パスの精度を調整: カットパスが正確に設定されることで、切断の精度が保たれます。形状が複雑な場合や、細かい部分を含むデザインでは、ミリ単位で調整を行い、希望通りの形状に仕上がるようにします。

3. カットパス設定の確認: 切断機にデータが送られる前に、カットパスが意図した位置に設定されているかを確認します。特に、カットパスが正しいレイヤーに配置されているか、カットパスの色や形状に誤りがないかの確認が必要です。

現代の印刷業界におけるカットパス設定の重要性

カットパス設定は、ステッカーやラベル、パッケージなど形状が重要な印刷物にとって欠かせない要素です。正確に設定されたカットパスにより、裁断機械が自動的に切断作業を行い、効率的な生産が可能となります。また、カットパス設定はデザインの再現性を高め、希望する形状が正確に印刷物に反映されるため、製品の品質を向上させます。

特に、複雑な形状のデザインや、同じ形状の印刷物を大量に生産する際には、カットパス設定が作業効率を大幅に向上させ、印刷物の形状にばらつきが出ないようにするために必要です。現代では、レーザーや自動カッティングマシンとの連携によって、正確かつ迅速なカッティングが可能となり、製品の高い精度を実現しています。

カットパス設定の課題と今後の展望

カットパス設定の課題として、設定ミスがあると裁断がずれたり、形状が不正確になることが挙げられます。例えば、カットパスがデザインに重なっていたり、指定のレイヤーに設定されていなかった場合、裁断が正確に行われず、印刷物が損傷する可能性があります。また、デザイン変更が発生した場合、カットパスも再設定する必要があり、手間がかかる点も課題です。

今後は、AI技術や自動カットパス生成ソフトの進化により、デザインデータから自動で最適なカットパスが生成されるシステムが期待されています。さらに、エコロジー対応や高精度な裁断技術の開発も進む中で、カットパス設定の効率化が図られ、印刷業界の生産性向上に貢献するでしょう。カットパス設定は、印刷物の形状精度を支える重要なプロセスとして、今後も発展が続くと考えられます。

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