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光沢ニス引きとは?

印刷業界における「光沢ニス引き」(ふりがな:こうたくにすびき、英:Gloss Varnish Coating、仏:Application de Vernis Brillant)とは、印刷物の表面に光沢感を与えるために透明なニスを塗布する加工方法を指します。この技術は、印刷物の見栄えを向上させるとともに、耐久性や耐水性を高める役割を果たします。特に、カタログ、ポスター、パッケージなどの商業印刷でよく使用されます。


光沢ニス引きの概要

「光沢ニス引き」は、印刷物の表面を保護し、鮮やかな仕上がりを実現するための仕上げ工程です。透明なニスを薄く均一に塗布することで、印刷物に高級感のある光沢を加えることができます。この加工は、単なる美観の向上だけでなく、印刷面のインクの保護や指紋、汚れからの防止効果も期待できます。

光沢ニス引きには以下のような特徴があります。

1. 視覚的効果: 色の鮮やかさやコントラストが強調され、デザインの魅力が増します。

2. 保護機能: インク層を保護し、擦れや水濡れによるダメージを軽減します。

3. コストパフォーマンス: ラミネート加工と比べて低コストでありながら、一定の耐久性と光沢を提供します。

光沢ニス引きの種類と技術的な特徴

光沢ニス引きには、いくつかの異なる方法と種類があります。

1. オフセットニス: オフセット印刷機で使用されるニスで、速乾性があり、印刷工程内で効率よく塗布できます。

2. UVニス: 紫外線硬化型のニスで、より強い光沢感と高い耐久性を提供します。このタイプは、特に高品質が求められる製品で使用されます。

3. 水性ニス: 環境に配慮した水性タイプのニスで、印刷物に優しい仕上げを施します。環境規制が厳しい地域で特に人気があります。

これらのニスは、それぞれの特性に応じて選択され、目的に合わせた仕上げが可能です。

光沢ニス引きの歴史と発展

光沢ニス引きの起源は、印刷物の耐久性を向上させるための単純な保護層の塗布にあります。初期のニスは油性のもので、乾燥に時間がかかるため生産効率が低いものでした。しかし、20世紀に入り、オフセット印刷の普及とともに速乾性のニスが開発され、印刷業界で広く利用されるようになりました。

その後、UVニスや水性ニスといった新しい技術が登場し、光沢ニス引きの用途はさらに拡大しました。特にデジタル印刷の台頭により、短納期でも高品質な仕上がりを求めるニーズに対応するため、光沢ニス引きの技術が進化しました。

現在の光沢ニス引きの重要性と使用例

現在、光沢ニス引きは多くの商業印刷物で利用されています。その主要な使用例としては以下が挙げられます。

1. パッケージ: 商品パッケージに高級感と耐久性を加えるため、光沢ニスが広く使用されています。

2. カタログ・ポスター: 視覚的にインパクトのある印刷物を作成するために、光沢ニスは欠かせません。

3. 名刺: 名刺に高級感を持たせるために光沢ニスが施されることがあります。これにより、印象的なデザインが可能になります。

また、環境問題への対応として、リサイクル可能な水性ニスや環境負荷の少ないUVニスの使用が増加しています。

まとめ

光沢ニス引きは、印刷物の外観と耐久性を向上させる重要な技術です。その歴史は印刷技術の進化とともに歩んできましたが、現在では環境配慮型の製品も増え、持続可能な印刷業界の発展に貢献しています。商業印刷から個人用の印刷物まで、光沢ニス引きは幅広い用途で使用され、今後もその需要は続くと考えられます。

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