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印刷業界におけるガンマ補正とは?

印刷業界におけるガンマ補正(ふりがな:がんまほせい、英:Gamma Correction、仏:Correction Gamma)とは、画像の明るさやコントラストを調整するための手法を指します。特に、ディスプレイやデジタル画像データが現実の明るさと一致するよう補正を行うプロセスです。印刷においては、デジタル画像を印刷物に再現する際に、適切な階調や色彩を保つためにガンマ補正が不可欠です。この補正によって、画像が正確で自然に見えるよう調整されます。


ガンマ補正の概要

ガンマ補正は、ディスプレイや印刷物における明るさとコントラストを調整する技術です。以下のプロセスで行われます:

  • 画像のガンマ値計算:ガンマ値は明るさを調整するための指数で、一般的にディスプレイでは2.2、印刷ではそれに合わせて調整されます。
  • 明るさの調整:デジタル画像データのピクセル値にガンマ値を乗算することで、明暗をコントロールします。
  • カラーマッチング印刷物がディスプレイと同じように見えるよう、階調や色合いを補正します。

ガンマ補正は特に階調表現に効果的で、暗い部分のディテールを強調したり、白飛びを防いだりするために使用されます。


ガンマ補正の歴史と由来

ガンマ補正の起源は、映像技術やディスプレイ技術に由来します。ブラウン管(CRT)ディスプレイが普及した20世紀中盤、ガンマ補正は映像の明暗を調整するために必要とされました。当時のCRTは線形的に明るさを再現できなかったため、ガンマ補正によって視覚的に自然な画像を作り出しました。

印刷業界では、デジタル画像データが主流になる1990年代以降、ガンマ補正の重要性が高まりました。スキャナーデジタルカメラで取り込まれた画像を印刷物に再現する際、ディスプレイでの表示と印刷結果の色再現性を一致させるために、この技術が導入されました。


ガンマ補正の現在の使われ方

現在、ガンマ補正は以下のような場面で利用されています:

  • デジタル印刷RGB画像データをCMYKに変換する際に、適切な階調を維持するために補正が行われます。
  • 写真編集:フォトレタッチソフトウェア(Adobe Photoshopなど)で、画像の明るさやコントラストを調整します。
  • カラーマネジメント:ディスプレイやプリンター間のカラーマッチングを最適化します。

また、近年のディスプレイや印刷機では、ハードウェアレベルでのガンマ補正が可能となり、作業効率が向上しています。


ガンマ補正の注意点

ガンマ補正を行う際には、以下の点に注意する必要があります:

  • 適切なガンマ値の選定:ディスプレイや印刷条件に応じた適切なガンマ値を設定します。
  • カラープロファイルの一致:RGBとCMYKのカラープロファイルを一致させ、補正の正確性を確保します。
  • モニタ校正モニタの色調や明るさが正確でない場合、補正結果に誤差が生じるため、定期的なキャリブレーションが必要です。

まとめ

ガンマ補正は、印刷業界においてデジタル画像を正確に再現するための重要な技術です。その歴史はディスプレイ技術の進化とともに歩んできましたが、現在ではデジタル印刷や写真編集、カラーマネジメントにおいて欠かせないプロセスとなっています。適切な補正を行うことで、画像の美しさや正確性を最大限に引き出すことができます。

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