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印刷業界におけるレジスターマークとは?

印刷業界におけるレジスターマーク(れじすたーまーく、Register Mark / Marque de repérage)とは、多色印刷において各色の印刷位置を正確に合わせるための目印として使用される記号や線のことを指します。主に十字や円形の形状で構成され、印刷物の余白部分に配置されます。レジスターマークは、色ズレを防ぎ、高品質な印刷物を実現するために欠かせない要素です。



レジスターマークの歴史と由来

レジスターマークの使用は、近代的な多色印刷が登場した19世紀に始まりました。活版印刷の時代には、多色印刷を行う際にを正確に重ねることが難しく、手動で調整する必要がありました。これにより、ズレを確認するための目印として簡易的な記号が使われるようになりました。

その後、リトグラフオフセット印刷が普及し、精密な印刷が可能になったものの、色ズレを防ぐための目印は依然として必要でした。現在のような統一されたレジスターマークが登場したのは20世紀初頭で、印刷機の自動化が進む中で、レジスターマークは精密な位置合わせを可能にする重要な技術となりました。


レジスターマークの役割と種類

レジスターマークの主な役割は、以下の通りです。

1. 色合わせの基準: シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色が正確に重なるように調整します。

2. 印刷品質の確認: 色ズレや印刷の不具合を検出する目印として使用されます。ズレが確認された場合、即座に印刷機の調整が行われます。

3. 自動化のサポート: 近代的な印刷機では、レジスターマークをセンサーで読み取り、自動的に印刷位置を調整するシステムが搭載されています。

レジスターマークの種類には以下のようなものがあります。

1. 十字型マーク: 最も一般的な形状で、水平と垂直の基準線を示します。

2. 円形マーク: 円の中心が基準点となり、精密な位置合わせに使用されます。

3. 四角形や点線: 特定の印刷プロセスや機械に合わせて使用されるカスタムマークです。


レジスターマークの使用方法

レジスターマークは、以下の手順で使用されます。

1. デザインデータへの配置: デザインソフトウェアでレジスターマークを印刷物のトンボ(カットライン)の外側に配置します。

2. 印刷機での確認: 印刷工程中にレジスターマークを基準として位置合わせを行い、色ズレや不具合がないかをチェックします。

3. 品質管理: 完成した印刷物のレジスターマークを検査することで、仕上がりの精度を確認します。ズレがある場合は再調整が行われます。


現在のレジスターマークの使われ方

現代の印刷業界では、レジスターマークは多色印刷や特殊印刷における不可欠な要素です。特に高速で大量生産が行われる商業印刷において、レジスターマークは色ズレを防ぐための基準として重要な役割を果たしています。また、デジタル印刷機やインクジェットプリンタでも、位置合わせや色調整の基準として使用されることがあります。

さらに、自動化技術の進化により、印刷機に搭載されたカメラやセンサーがレジスターマークをリアルタイムで検出し、印刷の精度を自動で調整するシステムが一般化しています。これにより、印刷工程の効率が向上し、品質管理がより厳密に行われるようになっています。






レジスターマークの課題と未来

レジスターマークには以下の課題があります。

1. 小型印刷物での使用制限: 小さな印刷物では余白が限られるため、レジスターマークを配置するスペースが不足することがあります。

2. 印刷速度の影響: 高速印刷時には、レジスターマークの読み取り精度が低下する場合があります。

3. デジタル印刷での適応: 完全なデジタルワークフローでは、レジスターマークの必要性が減少するケースもあります。

未来のレジスターマークは、AIや高精度なセンサー技術と組み合わせることで、さらなる効率化が期待されます。完全自動化された印刷プロセスでは、レジスターマークの役割が進化し、位置合わせだけでなく、色彩の補正や品質分析の基準としても活用されるでしょう。また、環境に配慮した印刷方法との統合が進み、持続可能な印刷技術の一環として重要な位置を占めると考えられます。

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