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印刷業界における更(ざら)紙とは?

印刷業界における更(ざら)紙(ざらがみ、Recycled Paper / Papier recyclé)とは、再生紙の一種で、主に古紙や製紙工場から出る裁断くずを原料として作られるを指します。未漂白のため自然な色合いを持ち、環境に配慮した素材として広く認知されています。チラシ、メモ用紙、包装紙など、多様な用途で使用されており、特にコスト削減やエコロジーの観点から選ばれることが多いです。


更紙の歴史と由来

更紙の歴史は、江戸時代にまで遡ります。当時の「更紙」という名称は、使用済みの和紙を再利用して作られた紙を指していました。古い紙を漉き直して再利用する技術は、資源が限られた時代において非常に重要なものでした。この再利用の概念は、現代のリサイクル紙にも通じています。

近代に入り、大量生産と大量消費の時代が到来すると、製紙業界では効率的なリサイクル技術が求められるようになりました。更紙の製造は、紙の原料コストを抑える手段として注目され、環境負荷を軽減する目的でも利用されるようになりました。また、漂白処理を行わないことで製造工程における化学薬品の使用量が削減され、環境に優しい選択肢として支持されています。


更紙の特徴と種類

更紙には以下のような特徴があります。

1. 環境への配慮: 古紙を再利用して作られるため、資源の節約や廃棄物の削減に寄与します。

2. 独特の風合い: 未漂白のため自然な色合いとざらついた手触りを持ち、素朴なデザインやクラフト用途に適しています。

3. コストの低さ: 新たなパルプを使用しないため、比較的安価に生産できることが特徴です。

更紙には、用途や品質に応じたさまざまな種類があります。

1. 印刷用更紙: チラシや簡易な冊子印刷に使用される、印刷適性を持つもの。

2. 包装用更紙: 包装紙や緩衝材として使用される厚めの更紙。

3. メモ用更紙: 再利用しやすい簡易なメモ用紙として、文房具市場で利用されています。


更紙の用途

更紙は、そのコスト効率とエコロジーな特性から、以下のような用途で広く使用されています。

1. チラシやフライヤー: 短期間のプロモーションやイベント案内での印刷物に適しています。

2. 包装紙: 商品の簡易包装や保護材として利用され、廃棄後もリサイクルが容易です。

3. メモ帳やノート: 学校やオフィスで使用する消耗品として、需要があります。

4. クラフト素材: DIYやアート作品の素材として、独特の風合いを生かして活用されます。


現在の更紙の使われ方

現代では、環境意識の高まりとともに更紙の需要が増加しています。特に、リサイクル可能であることや、製造時の環境負荷が低い点が評価され、企業のサステナビリティ戦略において重要な役割を果たしています。

また、デジタル印刷技術の普及により、更紙のような粗い表面にも高品質な印刷が可能となり、デザイン性の高い用途にも対応できるようになっています。さらに、カラーバリエーションを持つ更紙も登場しており、クリエイティブな分野での活用が広がっています。


更紙の課題と未来

更紙には以下のような課題があります。

1. 印刷適性の制限: 一部の高解像度な印刷には適さない場合があり、特定の用途では制約となります。

2. 強度の不足: 一般的な更紙は強度が低いため、高負荷がかかる用途には向いていません。

3. 美観の制限: 独特の風合いがある一方で、漂白された白紙と比較して洗練された見た目を持たない場合があります。

未来の更紙は、技術の進化により課題を克服しつつ、環境に優しい素材としての地位を強化していくと考えられます。例えば、強度や印刷適性を向上させた新しい製品の開発が進むでしょう。また、再生プロセスの効率化により、さらなるコスト削減や環境負荷の軽減が期待されます。更紙は、持続可能な社会を目指す中で重要な役割を果たし続けるでしょう。

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