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印刷業界における赤外線乾燥装置とは?

印刷業界における「赤外線乾燥装置」(ふりがな:せきがいせんかんそうそうち、英:Infrared Drying System、仏:Système de Séchage Infrarouge)とは、赤外線を利用して印刷物に付着したインクやコーティング材を迅速に乾燥させるための装置を指します。この装置は、赤外線の熱エネルギーを直接的にインクやに伝えることで、乾燥時間を大幅に短縮し、生産効率を向上させる役割を果たします。特に高品質印刷や高速印刷が求められる現場で不可欠な装置として広く使用されています。


赤外線乾燥装置の概要

赤外線乾燥装置は、赤外線を発生させるランプやヒーターを使用し、印刷物の表面に熱を加えることでインクやコーティング材を乾燥させます。この装置には以下の特徴があります。

高速乾燥: 赤外線の熱エネルギーを直接紙やインクに伝えるため、乾燥時間が従来の乾燥方法よりも短縮されます。

非接触乾燥: 印刷物に触れることなく乾燥を行うため、インクのにじみやデザインの損傷を防ぎます。

多用途性: 様々なインク(油性UV溶剤型など)や基材(紙、プラスチック、金属など)に対応可能です。

赤外線乾燥装置の歴史と言葉の由来

赤外線乾燥装置の技術は、20世紀初頭に開発された赤外線放射の研究から始まりました。赤外線の熱エネルギーが物体に効率よく吸収される特性が注目され、様々な産業で乾燥プロセスへの応用が進みました。

印刷業界においては、20世紀後半に赤外線技術が導入され、それまでの熱風乾燥に代わる高速で効率的な乾燥手段として普及しました。「赤外線乾燥装置」という名称は、赤外線(Infrared)を利用した乾燥技術に基づいています。この技術の進化により、現代の印刷工程で不可欠な装置となっています。

現在の赤外線乾燥装置の使われ方

赤外線乾燥装置は、印刷業界で以下のような用途で広く使用されています。

商業印刷: チラシ、ポスター、カタログなど、大量印刷において迅速な乾燥が求められる場面で使用されます。

パッケージ印刷: 食品や化粧品のパッケージなど、特殊なコーティング材を使用した印刷物の乾燥にも対応しています。

特殊印刷: プラスチックや金属基材を使用した印刷物でも、赤外線乾燥装置が均一な乾燥を実現します。

高速印刷機との連携: 現代の高速印刷機と組み合わせることで、生産性を最大化します。

赤外線乾燥装置の注意点

赤外線乾燥装置を使用する際には、以下の点に注意する必要があります。

用紙の熱耐性: 赤外線による加熱が過剰になると、紙が変形したり、基材が損傷する可能性があります。

エネルギー消費: 赤外線乾燥装置は電力消費が大きいため、効率的な運用が求められます。

安全管理: 高温で動作する装置のため、適切な換気や安全対策を講じる必要があります。

まとめ

印刷業界における赤外線乾燥装置は、高速で効率的な乾燥を実現する装置として、商業印刷から特殊印刷まで幅広い分野で活用されています。その歴史は赤外線技術の発展とともに進化してきました。現在では、生産効率の向上や多様な基材への対応力を備えた重要な設備として、印刷現場で欠かせない存在となっています。

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