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【湿式現像】ビジプリ印刷用語辞典

湿式現像

湿式現像 (しっしきげんぞう、Wet Processing)は、フィルムや写真用紙に露光された画像を化学薬品を用いて可視化する伝統的な写真現像プロセスです。この方法は、特にアナログ写真撮影や印刷業界での写真の印刷において用いられます。湿式現像プロセスは、現像、停止、定着、および水洗の主要な四つのステップから成り立っています。

1.現像:露光によって感光したフィルムや紙に現像液を用いて処理を行い、画像を可視化します。現像液は露光された銀ハライドを還元し、金属銀に変えることで画像を生成します。

2.停止:現像作用を止めるために、酢酸などの酸性の停止液にフィルムや紙を浸します。これにより、現像液の作用が中断されます。

3.定着:定着液によって未反応の銀ハライドを除去し、画像を安定させます。これにより、フィルムや紙が光にさらされても変色や劣化が起こりにくくなります。

4.水洗:定着後、フィルムや紙を水で洗浄し、余分な化学薬品を除去します。これにより、長期的な画像の安定性が保証されます。

湿式現像は、高い画質と豊かな階調を実現することができ、特にモノクロ写真や美術写真の分野で重宝されています。しかし、化学薬品を使用するため、適切な取り扱いと環境への配慮が必要です。デジタル写真技術の普及により、湿式現像の需要は減少傾向にありますが、その独特な質感や表現力は今でも多くの写真愛好家やプロの写真家に高く評価されています。
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