印刷業界におけるDTF印刷とは?
印刷業界におけるDTF印刷とは?(でぃーてぃーえふ、Direct To Film、Impression directe sur film)
DTF(Direct To Film)印刷とは、専用フィルムにインクジェットで絵柄を出力し、粉末状のホットメルトパウダーを塗布・加熱した後、生地へ熱圧着するプリント方式です。主にアパレル分野で活用され、綿・ポリエステル・ナイロンなど多様な素材に対応できる点が特長です。従来のシルクスクリーンやインクジェット印刷とは異なる工程を持ち、小ロットや多色表現に強い次世代型の転写技術として注目されています。
DTF印刷の歴史と由来
DTFは「Direct To Film(フィルムへ直接)」の略称で、衣類へ直接印刷するDTG(Direct To Garment)に対比して名付けられました。2010年代後半、中国やアメリカを中心に技術開発が進み、インク性能やホットメルトパウダーの改良によって実用化が加速しました。日本国内では2020年前後からアパレル業界やグッズ制作分野で急速に普及しています。
従来のシルクスクリーン印刷は版を必要とし、多色刷りや小ロット生産ではコストや時間が課題でした。一方DTF印刷はデータから直接出力できるため、版代が不要で多品種少量生産に適しています。この点が、オンデマンド印刷市場の拡大とともに評価されました。
DTF印刷の仕組みと特徴
DTF印刷の工程は、まず専用PETフィルムにCMYK+ホワイトインクで図柄を出力します。次に、濡れたインク面にホットメルトパウダーを均一に振りかけ、余分な粉を落とします。その後、加熱してパウダーを溶かし、接着層を形成します。最後にヒートプレス機で生地へ圧着し、冷却後にフィルムを剥がして完成します。
主な特長は以下の通りです。
- 素材適性の広さ: 綿・ポリエステル・混紡・ナイロンなど幅広い生地に対応。
- 発色の良さ: ホワイトインクを下地に敷くため、濃色生地でも鮮やかに再現。
- 小ロット対応: 版が不要で1枚から制作可能。
- 柔軟性: 伸縮性があり、ひび割れしにくい仕上がり。
現在の使われ方と今後
現在DTF印刷は、オリジナルTシャツ、トートバッグ、スポーツウェア、ノベルティグッズなど幅広い用途で利用されています。特にECサイトと連動したオンデマンド制作との相性が良く、個人クリエイターや小規模ブランドにも導入が進んでいます。
一方で、洗濯耐久性や設備コスト、作業環境への配慮など課題もありますが、インクやパウダーの改良により品質は年々向上しています。DTF印刷は、従来技術を補完する新しい転写印刷方式として、印刷業界およびアパレル市場で重要な位置を占めつつあります。

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