八つ折りとは？ビジプリ印刷用語辞典

八つ折りの歴史と言葉の由来

「八つ折り」という言葉は、印刷物を8つの面に分割する折り加工であることに由来しています。英語では「Eight-Fold」、フランス語では「Pliage en Huit」と表記され、印刷業界では一般的な用語として使われています。

折り加工自体は、書籍や文書を扱う歴史の中で古くから存在していましたが、近代印刷技術の発展とともに、自動折り機の導入により大量生産が可能になりました。特に新聞や広告業界では、大量の印刷物を効率よく配布するために折り加工が重視され、八つ折りも広く活用されるようになりました。現在では、印刷機の進化により、より複雑な折り加工も可能になっています。

八つ折りの主な種類

八つ折りにはいくつかの折り方があり、それぞれ異なる用途で使用されます。以下に代表的な折り方を紹介します。

1. 観音折り（外開き）

中央に2つの折り目を作り、さらに左右を折りたたんで8面に分ける方法です。開いたときに全体が見渡せるため、地図やメニュー、パンフレットなどに多く使用されます。

2. 巻き折り

片側から順番に折り込んでいく方法で、パンフレットやダイレクトメールなどに適しています。情報を順番に伝えるのに効果的です。

3. 十字折り（直角に2回折る）

紙を縦に一度折り、さらに横に折ることで、8ページの構成を作る方法です。コンパクトに収納できるため、カタログや折込チラシなどに利用されます。

八つ折りの用途

八つ折りは、印刷物を効率よく整理し、持ち運びやすくするための手法として広く利用されています。代表的な用途を紹介します。

1. パンフレット・リーフレット

観音折りや巻き折りを用いたパンフレットは、視覚的に情報を整理しやすく、商品の紹介や会社案内などに適しています。

2. 折込チラシ・新聞広告

新聞に折り込むチラシでは、八つ折りにすることでコンパクトに収納しつつ、開いたときに大きな広告スペースを確保できます。

3. カタログ・メニュー表

レストランのメニューや観光案内のカタログでは、折り加工を活かしてコンパクトにまとめつつ、多くの情報を掲載できます。

八つ折りのメリット

八つ折りには、多くの利点があります。以下に、その主なメリットを紹介します。

1. 持ち運びやすい

コンパクトに折りたたむことで、携帯性が向上し、持ち運びが容易になります。特にイベントや展示会で配布する資料として便利です。

2. 情報を整理しやすい

折り目ごとに情報を分けて掲載できるため、見やすく整理されたデザインが可能です。段階的に情報を伝えることができるため、ストーリー性を持たせることもできます。

3. コスト削減が可能

1枚の紙を折るだけで多くの情報を掲載できるため、冊子に比べて印刷コストや製本コストを抑えられます。

4. 展開したときのインパクト

開いたときに大きな紙面が広がるため、インパクトのあるデザインを表現するのに適しています。地図やポスタータイプのチラシなどに活用されます。

八つ折りの注意点

八つ折りを採用する際には、いくつかの点に注意が必要です。

1. 紙の厚みに注意

厚すぎる紙では折りにくくなり、破れるリスクがあるため、適切な紙の選定が必要です。特にコート紙やラミネート加工された紙では折り目がきれいに仕上がるかを確認する必要があります。

2. デザインの配置

折り目の部分に重要な文字や画像を配置しないようにデザインを考慮する必要があります。特に観音折りや巻き折りでは、開いた順番を意識したレイアウトが求められます。

3. 印刷精度の確認

折り加工が施されるため、ページのズレが発生しやすくなります。仕上がりの精度を高めるために、印刷位置の微調整が必要になる場合があります。

まとめ

八つ折りは、印刷物をコンパクトにまとめつつ、多くの情報を整理して伝えることができる加工方法です。パンフレット、折込チラシ、メニュー表、カタログなど幅広い用途で活用され、情報の見やすさと持ち運びやすさを兼ね備えています。適切な紙選びやデザインの工夫を行うことで、より効果的な印刷物を作成できるため、印刷業界において重要な技術の一つとされています。