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印刷業界における白色度とは?

印刷業界における白色度 (はくしょくど、Whiteness / Blancheur)とは、や印刷媒体が持つ白さの度合いを数値化したものを指します。通常、特定の光源下で反射される光のスペクトルを基に測定され、紙がどれだけ白く見えるかを評価します。白色度は、印刷物の色再現性や視認性に影響を与えるため、紙選定や品質管理の重要な指標となっています。


白色度の歴史と背景

白色度の概念は、紙の品質を評価するために19世紀後半から注目されるようになりました。当時、紙の白さは、インクの発色や印刷物の見栄えを決定する重要な要素と考えられていました。特に、新聞や書籍で使用される紙において、白さが印刷の精度や視認性を向上させるための基準となりました。

20世紀には、測色技術が進化し、白色度を正確に測定するための規格が導入されました。国際標準化機構(ISO)は、特定の光源条件下で紙の白さを測定する方法を規定し、今日ではこれが世界的な基準として採用されています。また、蛍光増白剤の使用が普及し、紙をより白く見せる技術も発展しました。


白色度の特徴と測定方法

白色度は、以下の特徴を持っています。

1. 視覚的な白さの指標: 白色度は紙がどれだけ白く見えるかを示しますが、人間の目が感じる白さと完全に一致するわけではありません。

2. 光源条件の影響: 白色度の評価は、特定の光源条件(通常はD65光源、昼光)で行われます。光源の種類によって白さの見え方が変わるため、測定基準が重要です。

3. 蛍光増白剤の影響: 多くの紙製品には蛍光増白剤が添加されており、紫外線を吸収して青白い光を放出することで、白色度を向上させています。

白色度の測定には分光測色計が使用され、紙の反射率を特定の波長で測定します。結果は数値化され、一般的に白色度が高いほど、紙がより白く見えます。


印刷業界における白色度の影響

白色度は、印刷業界で以下のような点に影響を与えます。

1. 色再現性: 白色度の高い紙は、インクの発色が鮮明になり、印刷物の見栄えが良くなります。特にフルカラー印刷では重要な要素です。

2. 視認性: 白色度が高い紙は、コントラストが向上し、印刷された文字画像が読みやすくなります。

3. 使用用途の選定: 書籍や新聞ではやや低めの白色度が自然な仕上がりを提供し、広告や高級印刷物では高い白色度が好まれる傾向があります。


白色度の現在の課題と未来展望

白色度の管理には以下の課題があります。

1. 環境への影響: 蛍光増白剤の使用は環境負荷が懸念されており、エコロジーを意識した紙製品では低白色度が採用される場合があります。

2. 光源依存性: 特定の光源条件下で評価される白色度は、実際の使用環境と一致しない場合があります。

3. 規格の多様化: 地域や用途によって白色度の基準が異なるため、統一的な評価が難しい場合があります。

今後は、環境に配慮した白色度の管理がさらに進むとともに、デジタル印刷技術の発展により、白色度の重要性が新しい形で再定義される可能性があります。また、AIを活用したリアルタイムの白色度測定や、持続可能な材料を使用した紙製品の開発が進むことで、白色度管理がより効率的かつ環境負荷の少ない方法へと進化していくでしょう。

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