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印刷業界におけるポリプロピレンフィルムとは?

印刷業界におけるポリプロピレンフィルム(ぽりぷろぴれんふぃるむ、Polypropylene Film / Film de polypropylène)とは、ポリプロピレン樹脂を主成分とした薄いプラスチックフィルムを指します。このフィルムは、透明性、耐久性、防湿性に優れており、食品包装やラベル、パッケージデザインなど、さまざまな印刷用途で広く使用されています。環境に配慮した軽量素材としても注目されています。


ポリプロピレンフィルムの歴史と由来

ポリプロピレン(PP)は1950年代にイタリアで開発された熱可塑性樹脂で、軽量かつ加工性に優れた特性から急速に普及しました。これを薄いフィルム状に加工したポリプロピレンフィルムは、1960年代から包装材料として使用されるようになりました。

特に、印刷業界ではフィルム表面にインクが定着しやすい加工が施され、食品や消費財のパッケージデザインに適用されるようになりました。また、ポリプロピレンの製造コストが低下し、リサイクル性が評価されることで、や他のプラスチック素材に代わる選択肢として広まりました。


ポリプロピレンフィルムの特徴と種類

ポリプロピレンフィルムには以下のような特徴があります。

1. 高い透明性: 製品の内容物を見せる必要がある包装に適しています。

2. 優れた耐久性: 引っ張り強度や耐衝撃性が高く、破れにくい素材です。

3. 防湿性と耐薬品性: 湿気を遮断し、食品や製品を長期間保護します。また、化学薬品に対する耐性も持っています。

4. 軽量: 紙や他のプラスチック素材に比べて軽量で、輸送コスト削減に寄与します。

ポリプロピレンフィルムは以下のように分類されます。

1. BOPPフィルム: 二軸延伸ポリプロピレンフィルムで、機械的強度と透明性が向上しています。

2. CPPフィルム: キャストポリプロピレンフィルムで、柔軟性とシーラビリティ(熱接着性)が高いのが特徴です。


ポリプロピレンフィルムの用途

ポリプロピレンフィルムは、印刷業界において以下のような用途で使用されています。

1. 食品包装: お菓子やスナック、冷凍食品の袋などに使用され、防湿性と耐久性が求められます。

2. ラベル印刷: ボトルや容器に貼付するラベルとして、鮮明な印刷が可能です。

3. ラミネート加工: 印刷物の表面保護や装飾効果を目的に、印刷物とポリプロピレンフィルムをラミネート加工することがあります。

4. 工業製品のパッケージ: 電子部品や日用品のパッケージにも利用され、耐久性と軽量性が重視されます。


現在のポリプロピレンフィルムの使われ方

現在、ポリプロピレンフィルムは環境に優しい素材として注目されています。従来のプラスチック包装に比べてリサイクルが容易であり、製造過程での炭素排出量が少ない点が評価されています。また、デジタル印刷技術の進化により、短納期や少量生産にも対応できるようになり、消費者向けのカスタムパッケージでの利用が増えています。

さらに、抗菌加工やUVカット性能を持つ特殊なポリプロピレンフィルムも開発されており、医療品や化粧品の包装分野でも需要が拡大しています。


ポリプロピレンフィルムの課題と未来

ポリプロピレンフィルムには以下のような課題があります。

1. 廃棄物問題: 使用後のポリプロピレンフィルムが適切にリサイクルされず、環境に悪影響を及ぼす可能性があります。

2. 印刷適性の向上: 特定のインクや印刷技術に適応するため、フィルムの表面処理が必要です。

3. 新素材との競合: 生分解性プラスチックや紙素材など、環境に優しい代替素材の台頭が進んでいます。

未来のポリプロピレンフィルムは、より環境に配慮した製造プロセスや完全リサイクル対応の技術革新が期待されています。また、IoT対応のスマートパッケージング(例: QRコード印刷)や抗菌性能を強化したフィルムの需要が増加し、多機能性がさらに進化していくでしょう。ポリプロピレンフィルムは、その軽量性と耐久性を活かし、印刷業界での重要な素材として活躍を続けると考えられます。

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