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印刷業界における模造紙とは?

印刷業界における「模造紙」(ふりがな:もぞうし、英:Manifold Paper、仏:Papier Simili)は、コート紙上質紙と異なり、比較的安価で使いやすい多目的なを指します。表面は滑らかで、筆記や印刷のしやすさが特徴です。模造紙は、ポスターや掲示物、教育現場での使用に適しており、大量印刷やコストパフォーマンスを重視する用途で広く活用されています。歴史的には、特定の高品質紙を模倣する目的で開発され、その汎用性の高さから印刷業界での需要が根強い紙種です。


模造紙の概要

模造紙は、多用途に使用できる汎用紙として、印刷業界や日常のさまざまな場面で使用されています。その特性として以下が挙げられます。

表面特性: 表面は適度に滑らかで、印刷や筆記がしやすく、インク吸収力が良好です。

厚さと耐久性: 一般的に薄手から中厚手までのバリエーションがあり、用途に応じて選べます。

コストパフォーマンス: 安価であるため、大量に使用する印刷物や教育用途に適しています。

模造紙の歴史と言葉の由来

模造紙の歴史は、18世紀後半から19世紀にかけての紙製造技術の進化に遡ります。当時、高価な洋紙の代替品として、日本国内で手漉き和紙をもとに模造した紙が作られました。この「模造する紙」が語源となり、「模造紙」という名称が広まりました。

特に近代以降、洋紙の製造技術が普及し、模造紙は安価で品質の安定した汎用紙として広く生産されるようになりました。その用途は教育現場や広告用掲示物、試作段階の印刷物など多岐にわたります。

現在の模造紙の使われ方

現在、模造紙は以下のような用途で使用されています。

教育現場: 模造紙は、ポスター作成や掲示物の作成に使用されるほか、学生のグループ作業やプレゼンテーション用の素材として利用されています。

商業用途: 店舗のプロモーション用ポスターや案内掲示物など、一時的な使用を前提とした印刷物に適しています。

試作用途: デザインの試作段階やレイアウト確認用の印刷に使用され、コストを抑えつつ作業を進められる利点があります。

日常利用: メモ用紙や掲示板用の紙など、日常的な用途でも模造紙の汎用性が発揮されています。

模造紙の注意点

模造紙を使用する際には、以下の点に注意が必要です。

耐久性の限界: 長期間保存する印刷物や高品質が求められる用途には不向きです。

吸湿性: 湿気を吸収しやすいため、保存環境に注意が必要です。

表面加工の制約: 特殊なコーティングが施されていないため、光沢感や耐水性が求められる印刷物には適していません。

まとめ

印刷業界における模造紙は、その汎用性とコストパフォーマンスの高さから、多岐にわたる用途で活用されています。歴史的には高価な紙の代替品として生まれましたが、現在では教育現場や商業印刷など、幅広い場面で重要な役割を果たしています。模造紙を効果的に活用することで、コストを抑えつつ、必要な品質を満たす印刷物や掲示物を作成することが可能です。

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