ビジプリ > 印刷用語辞典 > さ行 > 【サイド貼り】

印刷業界におけるサイド貼りとは?

印刷業界におけるサイド貼り(さいどばり、Side Gluing / Collage latérale)とは、箱やパッケージなどの組み立て工程で、板紙の側面を接着剤で貼り合わせる加工方法を指します。この技術は、製品の構造を保持しつつ、効率的かつ均一に組み立てるために利用されます。サイド貼りはパッケージ製造や印刷後加工で重要な役割を果たしており、食品、化粧品、医薬品の箱など、多様な製品に活用されています。


サイド貼りの歴史と背景

サイド貼りの技術は、パッケージ製造が手作業から機械化へ移行する過程で発展しました。19世紀から20世紀初頭にかけて、産業革命による紙器製造の効率化が進む中で、サイド貼り技術が確立されました。当初は手作業で接着剤を塗布して貼り合わせる方法が一般的でしたが、機械化により大量生産が可能となり、現在のサイド貼り工程の基盤が形成されました。

20世紀後半には、接着剤の改良や自動化技術の進化により、サイド貼りはさらなる精度と効率性を実現しました。また、環境問題への意識が高まる中で、リサイクル可能な素材やエコ接着剤の導入が進み、サステナブルな加工技術としても注目されています。


サイド貼りの特徴と目的

サイド貼りは、以下の特徴と目的を持っています。

1. 高い接着強度: 接着剤を均一に塗布することで、箱の側面がしっかりと固定されます。これにより、製品の耐久性が向上します。

2. 美観の保持: 側面に接着剤が目立たないよう加工することで、パッケージ全体の美観を損なわず、高品質な仕上がりが可能です。

3. 生産効率の向上: 自動化されたサイド貼り機を使用することで、大量生産が効率的に行えます。


サイド貼りの工程

サイド貼りの工程は以下の通りです。

1. 材料の準備: 板紙や印刷済みの紙を指定された寸法でカットし、必要な折り目を付けます。

2. 接着剤の塗布: 接着剤を側面に均一に塗布します。ホットメルトや水性接着剤が一般的に使用されます。

3. 貼り合わせ: 貼り合わせ部分を正確に揃え、加圧や熱処理を行って接着強度を高めます。

4. 乾燥と検品: 接着剤が十分に乾燥した後、完成品の強度や仕上がりを検品します。


サイド貼りの活用例

サイド貼りは、以下のような製品で広く使用されています。

1. 食品パッケージ: お菓子や冷凍食品の箱など、内容物を安全に保護するためにサイド貼りが用いられます。

2. 化粧品パッケージ: 高級感が求められる化粧品の箱では、接着部が目立たないよう加工することで、デザイン性を向上させます。

3. 医薬品パッケージ: 薬品を収納する箱では、耐久性と衛生面を考慮したサイド貼りが行われます。


現在の課題と未来の展望

サイド貼りには以下の課題が存在します。

1. 接着剤の環境負荷: 接着剤の素材が環境に与える影響を軽減するため、エコ接着剤やバイオ素材の開発が求められています。

2. 自動化技術の進化: サイド貼り機のさらなる高速化と精度向上が課題となっています。

3. 複雑な形状への対応: 特殊なデザインや形状を持つパッケージに対して、適切なサイド貼り技術を開発する必要があります。

未来のサイド貼り技術は、AIやIoTを活用して加工プロセスの自動化やリアルタイム検品を可能にする方向へ進化すると考えられます。また、環境に配慮した材料や接着剤の採用がさらに進むことで、持続可能な印刷加工の実現に貢献することが期待されています。

▶印刷用語辞典TOPへ戻る



↑ページの上部へ戻る

ビジプリの関連サービス