マグネット印刷とは?基礎知識やマグネットシートの制作事例などについて解説
自由にデザインしたものをマグネット印刷すれば、ノベルティや社用車の広告などとして活用できます。
この記事では、マグネット印刷の基礎知識やマグネットの種類・特徴、マグネットシートへの印刷方法やマグネットシートの制作事例を紹介します。
■マグネット印刷とは
マグネット印刷とは、マグネットシートに文字や写真、イラストなどを印刷する印刷方式のことです。
マグネットシートとは、裏側が磁石になっている厚み0.6mm〜0.8mm程度の柔らかいシートとなります。磁石がつく場所であれば、どこでも貼ったりはがしたりすることが可能です。また、厚みも薄いためカッターやハサミで簡単にカットできます。さらに、表面にフィルムを貼ることや、様々なコーティングを施すことで耐久性の向上も可能です。
マグネットシートは、マグネットステッカーやマグネットシールなどとも呼ばれます。
■印刷したマグネットはどんな場面で活躍する?
印刷したマグネットは、主に6つの場面で活躍します。
▶ノベルティマグネット
マグネットシートは冷蔵庫にメモをくっつけることができるため非常に便利です。そのため、宣伝用に無料で配布されたノベルティのマグネットシートを自宅の冷蔵庫に貼っている方は多いでしょう。
印刷したマグネットをノベルティとして配布し、自宅で活用してもらうことができれば、高い販促効果に期待できます。また、マグネットシートは小さく軽いため、配布する側にとっても持ち運びやすく便利であるといえるでしょう。
▶車用マグネット
会社名や電話番号などを印刷したマグネットを車に貼れば、社用車に早変わりさせることができます。宣伝や認知活動にも役立つでしょう。
また、「防犯パトロール実施中」「特別警戒実施中」といった文言を印字したマグネットを車体に貼れば、パトロールや注意喚起などにも活用可能です。
▶飲食店内や店舗内のポスター
マグネットシートは簡単に着脱可能なので、定期的に貼り替える必要があるポスターや、定期的に短時間だけ使用するポスターとして活用できます。例えば、飲食店の昼営業と夜営業で店内に貼り出すポスターを変更したい場合、マグネットシートは定期的に貼り替え可能なポスターとして最適です。
また、店舗のタイムセール告知で短時間だけポスターを貼り出したい場合にも、マグネットシートが最適といえます。
▶社名板として
印刷したマグネットは社名板としても活用できます。会社のドアが金属性であればマグネットがくっつきますので、社名を印刷したマグネットを簡単に貼り付けられます。社名板をマグネットシートで制作すれば、費用の節約になるでしょう。
▶ホワイトボードとして
マグネットシートのサイズや印刷デザインをホワイトボード仕様にすれば、ホワイトボードとして使用できます。会社の会議や自宅でのメモ書きに活用できるでしょう。
▶自分用のオリジナルマグネットとして
ペットの写真や自作イラストなどを印刷すれば、自宅や自家用車で使えるオリジナルグッズとして活用できます。
■マグネットの種類と特徴
マグネットシートには「等方性磁石」で作られたものと「異方性磁石」で作られたものがあります。マグネット印刷を考えている場合、それぞれの特徴を把握しておくことが大切です。
オリジナルのマグネットシートを制作する際には等方性マグネットシートと異方性マグネットシートのどちらを選べばよいのかについても解説します。
▶等方性磁石
等方性磁石は、すべての方向に均等に磁力を発生させる磁石となります。磁化の方向がバラバラな結晶を含んでいるためです。
等方性磁石のマグネットシートは、ノベルティや初心者マークなどで使われています。100円ショップやスーパーなどで販売されているマグネットシートの多くが等方性磁石です。
▶異方性磁石
異方性磁石は、一方向のみに磁力を発生させる磁石となります。結晶の向きが特定の方向にそろっているためです。
異方向性磁石は等方性磁石に比べて大きな磁力を持ち、その吸着力は等方性磁石の数倍といわれています。家電製品や工業用部品などに多くの活用事例がある磁石です。
▶等方性磁石と異方性磁石のどちらがよいか
異方性磁石の方が等方性磁石より吸着力が数倍大きいため、よりはがれにくいといえるでしょう。また、マグネットシートは「特定の面をくっつける」という特性上、等方性である必要性はないといえます。
したがって、オリジナルのマグネットシートを制作する際には、異方性マグネットシートを選ぶことをおすすめします。
■マグネットシートへの印刷方法
マグネットシートへの印刷には、インクジェットプリンターやレーザープリンターを用いる方法、UVインクジェット印刷など、いくつかの方法があります。
ここでは、それぞれの印刷方法について詳しく解説します。
▶インクジェットプリンター・レーザープリンターで印刷する方法
家庭で使用されることの多いインクジェットプリンターや、オフィスで使用されることの多いレーザープリンターで印刷する方法です。
プリンター印刷が可能なマグネットシートが市販されているため、自分で作成することもできます。
具体的には、株式会社マグエックスから販売されているインクジェットプリンター用の「ぴたえもん」や、レーザープリンター用の「ぴたえもんレーザー」などがあります。また、100円ショップのダイソーでも、インクジェットプリンター用のマグネットシートを購入可能です。
しかし、インクジェットプリンターで作成した場合には、インクが乾くまで時間がかかること、水ぬれに弱いというデメリットがあります。
また、レーザープリンターで作成した場合にも、インクジェットプリンターに比べてグラデーションが綺麗に印刷されないといったデメリットがあるので注意が必要です。
オリジナルのマグネットシートを作成する場合、自分で印刷するのではなく専門の業者に依頼することをおすすめします。
▶UVインクジェット印刷
UVインクジェット印刷は、印刷データをインクジェットプリンターに読み込ませ、マグネットシートに直接インクを噴射して硬化させる方法です。インクは瞬時に固まるので、乾燥させる時間も必要ありません。
UVインクジェット印刷には、以下のようなメリットがあります。
・印刷データの解像度を下げずに印刷できる
・フルカラーの写真やイラストをきれいに印刷できるため、フルカラーに最適
・版を用意する必要がない
・短納期可能
・低コスト
・大判サイズの印刷に最適
・少部数の印刷に最適
・少部数から注文可能なので、バリエーション違いのデザインを低コストで複数注文できる
・発揮性有機化合物が発生しないため、環境に優しい
▶シルクスクリーン印刷
シルクスクリーン印刷は、インクを通す小さい穴が開けられた版にインクを付けてマグネットシートに印刷する方法です。
シルクスクリーン印刷には、以下のようなメリットがあります。
・インクの耐久性が高い
・版を作成したうえで印刷するので、印刷枚数が多くなるほど割安になる
・色彩が鮮やか
・簡素なデザインに最適
▶オフセット印刷
オフセット印刷とは、4色(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の各色の版を出力して印刷する方法です。オフセット印刷では、版に付いたインクをブランケットと呼ばれる転写用のローラーに転写してから用紙に印刷し、その後その用紙をマグネットシートに貼り付けます。
オフセット印刷には、以下のようなメリットがあります。
・印刷速度が速い
・フルカラーに最適
・色の再現性が高い
・細部まで濃淡を表現でき、色がにじみにくい
・版を作成したうえで印刷するので、大量印刷すればコストダウンになる
・大量印刷に最適
▶合成紙に印刷後、マグネットシートに貼り付ける方法
この方法は、のり付き合成紙にインクジェットプリンターで印刷したあと、マグネットシートに貼り付ける方法です。
この方法には以下のようなメリットがあります。
・印刷データの解像度を維持できる
・印刷面が強く、安定している
・フルカラーに最適
・版を用意しなくてよい
・納期を短縮できる
・コストを抑えられる
・少ロットの印刷に最適
・様々なデザインを低コストで複数注文できる
ビジプリではこちらの「合成紙に印刷後、マグネットシートに貼り付ける方法」を採用しており、表面へのラミネートコーティング加工も行っています。
そのため、水ぬれや汚れに強いマグネット印刷が可能です。
■デザインを作る時の注意点
マグネット印刷用のデザインを作る際には、注意点があります。
ここでは、デザイン作成時に気を付けるべき8つの注意点について詳しく解説します。
▶低解像度の画像は使わない
デザインに低解像度の画像は使わないようにしましょう。解像度の低い画像を使用するとマグネットが不格好なものになってしまいます。
デザインを作る際は、原寸サイズで350dpiになるように作成することが大切です。ノベルティマグネットのデザインを制作する際には特に気をつけるようにし、受け取った方に好印象を与えられるように心がけましょう。
▶ロゴや文字をカットラインから離す
ロゴや文字は、カットラインから最低3mmは離すようにしましょう。
マグネットシートを裁断する際には、少なからずズレが生じます。そのため、カットラインの限界までロゴや文字を配置してしまうと、裁断する際に切れてしまうことも可能性が高いです。
縁取りの有無に関係なく、デザイン部分は3mm以上離すようにしましょう。
▶必ず「塗り足し」を付ける
デザインを制作する際は、必ず「塗り足し」を付けましょう。
デザイン制作時は、実際の仕上がりサイズよりも3mm以上外側にはみ出すように塗り足す必要があります。入稿データに塗り足しがない場合、印刷前にデータを修正する必要があるので注意しましょう。塗り足しがないと、裁断するときに端に白い余白ができてしまうためです。
修正は余計な手間となってしまうので、必ず塗り足しを付けてからデータを入稿しましょう。
▶テキストは必ずアウトライン化する
デザインにテキストを含む場合は、必ずテキストをアウトライン化してから入稿しましょう。
アウトライン化しないで入稿した場合、他のPCでそのデータを開いた際、書体や文字の間隔が変わってしまう可能性があります。
アウトライン化しないとお客様のイメージ通りに印刷することが難しいため、アウトライン化は必要不可欠です。
▶テキストやイラストの黒色はスミベタにする
テキストやイラストで使用する黒色は、スミベタ(K100%)にしましょう。混色で作成された黒色を使用した場合、滲んでしまいデザインが判別しにくくなる可能性があります。
黒色にスミベタが使用されていれば、はっきりと見やすいデザインとなるでしょう。特に、ノベルティの場合は見た目が重要なポイントになります。受け取った方に好印象を与えられるよう、色にも気を付けることが大切です。
▶ラスタライズの解像度を300ppiにする
デザインの制作にillustratorを使用する場合に限りますが、影を付ける機能を使う際にはラスタライズの解像度を300ppiにしましょう。
300ppiにすることで、影の質感が滑らかになります。72ppiに設定してしまうと、影の解像度が低くなりイメージと異なる仕上がりとなる可能性があるので注意が必要です。
▶画像は必ず埋め込み配置にする
デザインに画像を使用する場合、配置する画像は必ず埋め込み配置にしましょう。
埋め込み配置にせずリンク配置にした場合、誤解や間違い、納期延長といったトラブルの原因となります。
▶オーバープリント設定は厳禁
デザインデータのオーバープリント設定はしないようにしましょう。オーバープリントとは、色を重ねて印刷する設定のことです。
オーバープリントを設定してしまうと、白色の文字や白色のロゴマークなどが消えてしまいます。白以外の色であっても、変色してしまう可能性があるので注意しましょう。
そのため、印刷時にはオーバープリント設定になっていないか確認することが大切です。
■マグネットシートの活用例を紹介
マグネットシートには様々な活用例があります。
ここでは、8つの活用例をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
▶ノベルティマグネットとして
マグネットシートは水道工事事業者やリフォーム会社、クリニックなどのノベルティとして制作されることが多くあります。
これらのマグネットは、ご自宅の冷蔵庫などに貼っている方も多いのではないでしょうか。
▶車用マグネットシートとして
マグネットシートは、車用マグネットとして制作することも多くあります。
具体的には「録画中」や「BABY IN CAR」と印字したシートなどが主な活用事例です。
▶看板として
マグネットシートを看板として使用するケースも一般的です。
具体的には、企業の看板や、イベント開催を知らせる看板として制作されることがあります。
▶扉に貼り付けるシートとして
マグネットシートは磁石がつくところであればどこにでも貼り付けられ、取り外しも簡単です。そのため、診療日であることを知らせるシートを制作し、扉に貼っているクリニックもあります。また、社名板をマグネットシートで制作することも可能でしょう。
▶教材として
マグネットシートを教材として活用されるケースも一般的です。
具体的には、数字が印字されたシートや、リコーダーの運指が印刷されたシートなどがあてはまるでしょう。また、「H(水素)」「O(酸素)」といった原子名が印字されたシートなども制作されることがあります。
▶ホワイトボードとして
ホワイトボード仕様のマグネットシートとして制作されることもあります。
具体的には、月予定表や来客予定表などを印刷したマグネットシートが制作されます。また、貼る場所としては既存のホワイトボードや、鉄製の壁などに貼られることが多く、書棚の裏側に貼り付けている企業もあるようです。ホワイトボード仕様のマグネットシートは現在多くの会社で活用されています。
▶店内ポスターとして
スーパーやレストランの店内に掲示するポスターとして制作することもあります。
具体的には、スーパーのタイムセール告知用のポスターや、レストランの昼営業用ポスター・夜営業用ポスターなどが制作されることがあります。マグネットシートは告知用に短時間だけ貼り出す必要があるポスターや、昼用・夜用など頻繁に貼り替える必要があるポスターに最適といえるでしょう。
▶自分用のオリジナルマグネットとして
ペットの写真や自作イラストなどを印刷し、自宅で使っている方もいます。ペットの写真を印刷した方の多くは、自宅の冷蔵庫に貼って活用しているようです。
■まとめ
本記事では、マグネット印刷の基礎知識やマグネットの種類・特徴、マグネットシートへの印刷方法、デザイン制作時の注意点、マグネットシートの制作事例を紹介しました。
自社や自分で自由にデザインしたものをマグネット印刷すれば、車用マグネットシートや看板、社名板、教材、ホワイトボード、店内ポスターなど幅広く活用することができます。また、マグネット印刷はご自宅やオフィスのインクジェットプリンター・レーザープリンターで印刷できることもメリットです。
しかし、マグネットを自作する場合、水ぬれに弱いことや、グラデーションがきれいに印刷できないといったデメリットがあります。そのため、制作を検討している方は専門の業者に依頼することがおすすめです。
ビジプリでは「合成紙に印刷後、マグネットシートに貼り付ける方法」を採用しているため、水ぬれや汚れに強いラミネートコーティング加工ができます。業界最速・最安で高品質なパネルを印刷する会社としての実績があるため、理想とするマグネットシートの制作を依頼することができるでしょう。
この記事を参考にデザインデータを制作し、ビジプリにマグネット印刷を依頼してみてはいかがでしょうか。
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