懸垂幕・垂れ幕とは?取り付け方法の種類と加工の選び方
懸垂幕・垂れ幕は遠方からの視認性を高め、告知・誘導・ブランド想起に貢献する屋外サインで、建物の垂直面を活用して強く訴求します。
本記事では素材・縫製・端部処理・固定部材の要点を整理し、環境に応じた安全で効果的な設計の考え方を目的と構造から解説します。
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懸垂幕・垂れ幕とは?
懸垂幕・垂れ幕は、建物の外壁や吹き抜けなどの高所から縦方向に垂らして掲出する大型サインの総称です。
街路沿いや商業施設の壁面などで多く見られ、遠方からでも視認しやすいのが特徴です。建物の垂直面を利用するため、スペースを取らずに高い訴求効果を発揮できるのが魅力です。
主な用途はキャンペーン告知・イベント案内・店舗ブランディング・公共施設の誘導表示など多岐にわたり、屋内外を問わず掲出可能です。掲出期間は数日の短期イベントから常設展示まで対応でき、設置方法や素材を工夫することで安全性と耐久性を両立できます。
用途の一般例
懸垂幕や垂れ幕は、商業施設のセール案内やリニューアル告知をはじめ、自治体・学校の行事告知、企業の周年記念、観光地の歓迎装飾など、幅広いシーンで活用されています。
特にビルの壁面や駅前通りなど、遠くからも目に留まる場所では強力なプロモーション効果を発揮します。文字やロゴを大きく配置し、メッセージを短く簡潔に伝えることで効果が最大化されます。
また、屋内では吹き抜け空間の装飾やイベントホールの演出にも利用され、視覚的訴求と空間演出の両立が可能です。
形状・サイズの目安
懸垂幕は縦長形状が基本で、幅に対して高さが2~6倍程度の比率が一般的です。
建物の階数や梁間に合わせて設計し、周囲の構造物や風通しを考慮してサイズを決定します。
あまりに大きすぎると風荷重や自重の影響が強まるため、適切な寸法設計が重要です。一般的な屋外掲出では、幅600~1200mm・高さ3000~6000mm程度が標準サイズとなり、商業施設やイベントではさらに大型化するケースもあります。
掲出環境に応じて視認距離を想定し、サイズと見え方のバランスを取ることがポイントです。
素材と印刷方式の一般知識
屋外用途ではターポリン(塩ビ系素材)が主流で、耐水・耐光性に優れ長期掲出にも適しています。短期イベントや軽量仕様ではトロマットやポンジなどの布系メディアが用いられます。
素材の選定は掲出期間と設置環境によって変わり、直射日光・風雨・湿度などに応じて耐候グレードを確認することが大切です。印刷はデジタルインクジェットが主流で、溶剤・UV・ラテックス・昇華転写といった方式が使われます。
UVは高精細で発色が良く、ラテックスは低臭・環境負荷の少ない印刷として人気があります。屋外掲出では色あせを防ぐために耐候インクを採用し、印刷品質と耐久性の両立を図ります。
端部仕様と取り付け方法の概略
懸垂幕の端部は、縫製や補強テープで強度を持たせたうえでハトメ固定や袋縫い(棒袋)などの方式で設置されます。
ハトメはロープやバンドで点固定する方式で、施工が容易な反面、風による揺れが起こりやすい点に注意が必要です。
袋縫いは上下にパイプを通して面で支える方式で、シワが出にくく高級感のある仕上がりになります。
また、高所や大型幕ではワイヤー吊り構造を採用し、テンションを均等にかけることで安全性を高めます。掲出面の下地(壁面・梁・手すり等)や交換頻度に応じて、設置方式の最適化を行うことが大切です。
視認性設計の基本
懸垂幕の効果を最大化するには、文字の読みやすさと配色のコントラストが重要です。想定視認距離から逆算して文字の高さを設定し、余白・行間を十分に確保します。
例えば10m先からの視認を想定する場合、文字高は約10cm以上が目安となります。背景と文字色の明暗差を明確にし、周辺建築物の色味との干渉を避けることもポイントです。
また、太陽光や夜間照明による反射・陰影も確認し、昼夜を通して見やすいレイアウトを心がけます。
ロゴや写真を使う場合は、解像度を実寸スケールで確認し、可読性とデザイン性を両立させましょう。
安全と運用の一般ルール
懸垂幕は常に風荷重と自重を受ける構造物です。固定金具の強度やアンカーの下地状況を事前に確認し、必要に応じて補強を施します。
屋外では落下防止ワイヤーや補助金具の併用が推奨され、特に高層部では定期点検を欠かさないことが重要です。掲出期間中はハトメや縫製部のほつれ、色あせ、金具の緩みを定期的にチェックし、異常が見つかれば早期に交換します。
台風や強風時には一時撤去を検討し、気象条件に合わせた運用ルールを設定しておくと安心です。
安全性を確保しながらも、美観と視認性を保つための定期メンテナンスを実施し、長期安定運用を目指しましょう。
ポイント:懸垂幕・垂れ幕の基本
- 定義 建物の高所から縦に垂らして掲出する大型サイン。
- 特徴 遠くから見えやすく、壁面を使うので省スペースで訴求力が高い。
- 主な用途 セール・イベント告知、店舗/企業PR、学校・自治体行事、歓迎装飾など。
- 形状・サイズ目安 縦長が基本。高さは幅の約2〜6倍、屋外の標準は幅600〜1200mm×高さ3000〜6000mm程度。
- 素材 屋外はターポリンが主流。短期や軽量はトロマット/ポンジなど布系。
代表的な取り付け方法(ハトメ固定・袋縫い・懸垂幕装置)
懸垂幕・垂れ幕にはいくつかの設置方法があり、目的や掲出環境に応じて適切な方法を選ぶことが大切です。
代表的な設置方法はハトメ固定、袋縫い(棒袋)、そしてワイヤー吊りの3種類です。それぞれに施工性・耐久性・見た目の特徴があり、設置面の条件を考慮して使い分けることで、安全で美しい掲出が実現します。
特に設置方法の選定はデザインや安全性に直結する重要な工程です。
このセクションでは、各取り付け方法の特徴とメリット、注意点について解説します。初めて設置する方でも比較しやすいよう、具体的な利用シーンを交えて紹介していきます。
ハトメ固定:汎用性と施工性に優れた定番方法
ハトメ固定は幕の周囲に金属リング(ハトメ)を取り付け、ロープや結束バンドで固定する方式です。
設置が簡単で汎用性が高く、建物の壁面やフェンス、仮設構造物にも対応できます。風を逃がすために複数点で均等に固定するのがポイントで、ハトメ間隔は通常30~50cmが目安です。
ハトメがデザイン部分に干渉するデメリットがある一方で、取付け・取り外しが容易なため、短期イベントや頻繁な差し替えなどがある場合に広く使用されている固定方法です。
コストパフォーマンスに優れ、基本仕様として最も広く採用されています。
袋縫い(棒袋):美観と安定性を重視する場合に最適
袋縫い(棒袋)は幕の端を筒状に縫い、パイプやポールを通して固定する方式です。
全体で支えるためシワが出にくく、仕上がりがきれいに見えるのが特徴です。
ビルの壁面や屋内掲出など、美観を重視する場面に向いており、上下を棒袋加工にすると、風によるはためきを抑制でき、安全性も向上します。
特に吊り下げ式にする場合、垂れ幕の下部を固定する箇所がなくてもでもきれいに掲出できる点が大きな特徴です。
また、ハトメ加工のようにデザインに加工部が干渉することがないのも大きな魅力です。
交換頻度が少ない常設用途に適しており、安定した美観が求められる現場で選ばれています。
懸垂幕装置:高所掲出や大型幕に対応
懸垂幕装置は建物に設置された装置を使用して幕を掲出する方法です。多くの場合は懸垂幕昇降装置の巻取り機構に直接懸垂幕をセットして掲出されます。
装置には大きく分けて直巻き型とワイヤー型があり、ワイヤー型の場合では装置に付属したワイヤーにハトメを利用して固定する方式が採用されています。どちらの方式も特大サイズのような重量のある垂れ幕を安全に掲出できる方法として広く利用されています。
また、装置の機構を使用することで懸垂幕にたわみがほとんど出ないだけでなく、手動で巻取る必要もないことから頻繁な差し替えにも向いており、特大サイズの垂れ幕の多くはこの装置が採用されています。
懸垂幕装置の施工には専用のローラー装置の付いた大型金属レールの設置が必須となり、導入が非常に大が掛かりになるため注意が必要です。
ポイント:代表的な取り付け方法
- ハトメ固定 周囲のハトメをロープや結束バンドで点固定する定番方式。施工が簡単で汎用性とコスパが高く、短期掲出や差し替え向き。
- 袋縫い(棒袋) 端を筒状に縫ってパイプを通し面で支える方式。シワが出にくく美観が良い。上下棒袋で風のはためきを抑えやすく、常設や見た目重視向き。
- 懸垂幕装置 建物に設置された昇降・巻取り装置で掲出する方式。大型・高所でも安全でたわみが出にくく、頻繁な差し替えにも対応。ただし導入は専用レールなど工事が必要。
設置環境別の取り付け金具と装置の選び方
懸垂幕・垂れ幕を安全に掲出するためには、設置場所の環境に合わせた金具・装置を選ぶことが欠かせません。屋外か屋内か、壁面かフェンスかなど、設置条件によって適した構造が異なります。
選定を誤ると風圧による破損や脱落の危険があるため、素材・強度・耐候性の観点から最適な組み合わせを検討しましょう。特に金具選定は安全性を左右する重要な要素です。
ここでは設置環境ごとに推奨される金具・装置の種類と特徴を解説し、実際の現場で役立つ判断基準を紹介します。
屋外壁面設置:アンカーボルトとワイヤーの活用
屋外の平坦な壁面に設置する場合、懸垂幕を設置するためのアンカーボルトやワイヤー金具が必要になります。
ロープやワイヤーを固定できる安定した箇所があれば固定可能ですが強度が不十分な場合、一時的な強風などの負荷に耐えれずハトメや固定箇所が破損してしまう場合があります。
また、最悪の場合懸垂幕自体が破損したり、落下したりする原因となるため、特に高所の場合はアンカーボルトのような丈夫な固定箇所を設けておくのがベストです。
風の影響が大きい場所では、補助金具や落下防止ワイヤーの併設も検討しましょう。定期的な点検により、長期的に安定した掲出を保てます。
フェンスや手すりへの取り付け:バンド・スナップフック式
仮設フェンスや手すりなど、支柱が細い構造物にはロープやワイヤーの他結束バンドやスナップフックで固定可能です。
設置・撤去が簡単で、イベントや短期掲出にも向いています。ただし、金属フェンスは風で振動が起きやすく、摩耗による破損リスクもあるため注意が必要です。
安全保持の確認は怠らないようにしましょう。
高所の大型懸垂幕設置:昇降装置と安全ワイヤー
高所に大型の懸垂幕を設置する場合は、昇降装置を使用するのが一般的です。
懸垂幕は対候性の高いターポリン素材で制作される場合が多く、大型になるとかなりの重量があるため落下時は大きな事故となります。
また、落下時にはハトメの金属部やスナップフック、ワイヤーなどの固定具などが同時に落下することになるため大変危険です。
高所に大型の懸垂幕を設置する場合は滑車やワイヤーを使った掲出専用の手動昇降タイプのほか、電動式の懸垂幕装置を利用しましょう。これらの装置は定期的に幕を交換する施設や商業ビルでは、作業効率が高く安全性も確保できます。
特に強風地域やビル上部では、昇降システムの導入が推奨されます。
屋内掲出:軽量金具と吸盤・マグネット
屋内の場合は風の影響が少ないため、ロープや簡易的なフック・マグネット式の固定方法が適しています。壁を傷つけずに設置でき、展示会や店舗装飾に便利です。ただし、吸盤を利用する場合は低所での小型懸垂幕への使用に限定し、吸着面の清掃や定期チェックを行いましょう。
長期掲出や比較的高所での掲出時には安定性の高いロープやワイヤーの使用をおすすめします。安定掲出を意識することが大切です。
設置環境に合わせた金具・装置を正しく選ぶことで、安全性・耐久性・見た目すべてが向上します。
現場の条件を把握し、必要に応じて専門業者に相談することも検討しましょう。
袋縫い加工・棒袋仕様の特徴と向いているシーン
懸垂幕や垂れ幕の仕上げ方法の中でも、袋縫い加工(棒袋仕様)は見た目の美しさと安定した設置性を兼ね備えた定番の仕様です。
幕の端を筒状に縫製し、ポールやパイプを通して掲出するため、風によるバタつきを抑え、シワの少ない整った見栄えになります。
特に棒袋仕様は、屋外・屋内問わず高所設置や大型幕に適しており、長期掲出にも安心して使えるのが魅力です。
このセクションでは、袋縫い加工の基本構造や特徴、どのようなシーンに最適なのかを詳しく解説します。
袋縫い加工の基本構造と仕組み
袋縫い加工とは、幕の上下または左右を筒状に縫い合わせてポールを通す方法です。これにより、幕全体を均等に支えられるため、風や重力による生地の歪みが起こりにくくなります。
特に縦長の懸垂幕では、上下にパイプを入れることで垂直のラインをきれいに保てます。
見た目にもスマートで高級感があり、均一保持を実現する構造として多くの現場で採用されています。
棒袋仕様のメリットと耐久性
棒袋仕様は、幕の端部を縫製してパイプを通すため、局所的な負荷がかかりません。そのため風圧や引っ張り力を全体に分散でき、破れにくく長持ちします。
加えて、金具が露出しないためデザイン面もすっきりとした印象に仕上がります。特に建物の外壁や吹き抜けなど、人目につく場所に設置する場合に効果的です。
長期間掲出する用途では、高耐久性が求められるため、この仕様が最も安定します。
向いている設置シーン
袋縫い加工は、店舗の外壁懸垂幕やイベント会場の案内垂れ幕、商業施設の吹き抜け装飾などに適しています。上下でしっかりテンションをかけることで、風による揺れや巻き上がりを防げます。
短期イベントよりも常設に向いており、建物の一部としてデザインを演出するケースにも好相性です。清潔感を保ちたい屋内用途にも向いており、長期設置の現場で特に重宝されています。
加工時の注意点と設計のコツ
棒袋の径は通すパイプの太さより10~15mm大きく設計するのが基本です。パイプがきつすぎると幕の出し入れが難しく、縫製部に負荷がかかって破損しやすくなります。
また、縫製部を二重補強するのが望ましいです。重量のある幕では、補強縫製を施すことで安全性を高められます。
袋縫い加工・棒袋仕様は、見た目と機能性を両立する仕上げ方法です。設置環境や使用期間に合わせて設計すれば、長期間美しく安全に掲出することができます。
安全・美観を保つための設置とメンテナンスのポイント
懸垂幕や垂れ幕を長期間美しく掲出するためには、設置段階から安全性とメンテナンス性を考慮することが欠かせません。
風・紫外線・経年劣化による変化を想定し、定期点検を行うことで事故や破損を防げます。設置後の管理を怠ると、落下や色あせといったトラブルにつながるため、計画的な維持管理が重要です。特に定期点検は、安全運用の基本として必ず実施しましょう。
ここでは、安全で美観を保つための設置とメンテナンスの具体的なポイントを解説します。
設置前の確認:下地と固定金具の安全性
設置前には下地の強度と金具の固定位置を確認しましょう。
壁面や支柱の強度が不足していると、風や重量に耐えられないことがあります。コンクリートや鉄骨にはアンカーボルトを、軽量壁には補強プレートを用いるなど、下地に合わせた施工が重要です。
また、金具の耐荷重を仕様書で確認し、設計値に余裕をもたせることで、設置強度を確保できます。
風対策とテンション調整
懸垂幕は風圧を強く受けるため、テンション(張り)の調整がポイントです。
上下にパイプを通して均等に引っ張ることで、風によるはためきや破損を防げます。特に大型幕では、ワイヤーや補助ロープを併用して荷重を分散させるのが効果的です。
風の抜け道をメッシュ素材を使用するのも有効で、強風時の安全性を高めます。ただしメッシュターポリンは構造上視認性がやや落ちるため、繊細なデザインを使用する場合は風が入りにくいようにテンションを掛けてまっすぐ掲出するように注意しましょう。
設置直後にたるみがないか確認し、風圧対策を徹底しましょう。
定期的な清掃と劣化チェック
美観を保つには清掃と劣化チェックが欠かせません。ホコリや排気ガスが付着すると色あせや汚れが進行し、印象が悪化します。
年に数回は柔らかい布で表面を拭き、ハトメや縫製部分にサビやほつれがないか確認します。紫外線による色落ちが目立つ場合は、早めの交換を検討しましょう。
こまめなメンテナンスで、美観維持と安全性の両立が可能です。
季節・天候によるリスク管理
台風や大雪の季節には、一時撤去を検討するのも安全対策のひとつです。強風による揺れや落下を防ぐため、事前に固定金具の増し締めを行いましょう。
特に高所設置では、ワイヤーの緩みがないか点検することが重要です。懸垂幕の掲出は設置環境を考慮した予防管理が長寿命化のカギになります。
設置時の確認と定期的なメンテナンスを行うことで、懸垂幕・垂れ幕は長く安全に使用できます。安全と美観を両立させる運用を心がけましょう。
まとめ
本記事では、懸垂幕・垂れ幕の設置目的と基本構造を整理し、縦長訴求を最大化する前提条件を明確にしました。
ハトメ固定・袋縫い・ワイヤー吊りなど代表的な方法の特徴を比較し、設置環境に応じた金具・装置の選び方も提示しています。
さらに、サイズ比率や文字高、コントラスト設計の勘所を示し、可読性を中心に据えた設計指針をまとめました。
最後に、風圧対策・定期点検・清掃などの運用ポイントを押さえることで、安全と美観を長期にわたり両立できます。
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